第30話

🥼🩹
111
2023/10/03 23:17










その放課後















小瀧先生
あなたの名字、ちょい











教室で帰りの支度をしていた時だった




















何故か廊下から顔を覗かせる小瀧にあなたの一人称も周りの生徒も、まるでレアキャラでも発見したかのように如く目を丸くした





















放課後の予定に花を咲かせていた生徒達は揃って言葉を失い、同じように帰りの支度をしていた生徒もその手を止めて小瀧の姿に目を奪われている
























普段、保健室を仕事場にしている小瀧が教室へ現れることなんて滅多にない





















これも個人を求めて




















あなたの一人称も“なんで、、?”って




















瞬きするのも忘れて立ち尽くしていると



















小瀧は教室から廊下のほうへちらりと目配せをした























多分、、着いてこい、の合図













あなた
、、、っ










ギュッと心臓を掴まれたのような緊張に襲われた





















ようやく思考を取り戻したはいいが、周りの生徒たちからは














生徒
え、なんで?
生徒
なんであなたの名字なの?







と、ざわめきと視線が露骨に突き刺さってくる





















本当に今日は朝からなんだと言うのだろう





















なんで?と、疑問を抱いたのはあなたの一人称も一緒だった




















これ以上騒ぎを大きくしたくなかったあなたの一人称は急いでカバンの中へ化粧ポーチと筆箱を放り込む




















中身がぐちゃぐちゃなのもガン無視して教室を出ようとしているあなたの一人称を目にした小瀧は一足先に好奇な眼差しから離脱した




















きっと“着いてくる”と確信したのだろう




















教室を出る間際、ざわめきの中には不思議そうにこちらを見つめる大毅の姿があった






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