じゃあ、話すわね。
私が最初にその事を聞いたのは、高校の入学式…。そう、あんたと出会うか出会わないかの頃よ。
私は怜美を呼びかけようとしたけど怜美は両親と何か話してた。
性格の悪い話かもしれないけど、私それを覗き見してたんだ。
中学の頃から親友だった怜美が何やら険しい顔をしてて、なんだか私、ほっとけなくて…。
ふと怜美が私に気づいて咄嗟に両親から離れて私のところに気まずそうにだけど来てくれた。
でも今思えば、それが全部物語ってたんだよね。
私はもうそれだけで入学式所ではなかった。
どうしても気になっちゃってもうちょっと踏み込んだ質問しようって時に…
あんたがぶつかってきて邪魔したこと、忘れてないからね。
まあいいわ、次行きましょう。
怜美は初めての部活で突然意識を失った。
…え?知らないって?
そりゃそうよ。優柔不断なあんたはこの時まだ部活決めてる真っ最中だったからね。
まあそんなことはどうでもいいわ。
怜美が救急車で病院に運ばれた時、私も一緒についてったわ。
慌てる怜美のお父さんと、泣き崩れる怜美のお母さんを見てただ事では無いと思ったわ。
その時の私って性格悪かったからさ、聞いちゃったんだ。何があったのか。
私は両親より先に怜美に呼ばれたの。
少し躊躇や戸惑いはあったけど、怜美に会いに行ったわ。
怜美が重い病気であると知ってなお今まで通りの日常を送るなんてとても私にはそんな芸当できなかった。
だから私は思い切って怜美に私が病気のことを知ってるって打ち明けたの。
怜美は口では笑ってたけど、とても泣いていた。
怜美の必死のお願いを私は…
聞けたかどうか分からないな。
でもただ一つ確かなことは…
その"青春"に、あんたが一役買ってくれたってこと。


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。