平凡…ありふれた日常が、今日も流れている。
「おはよう。」
「急げ急げ…!」
いつもと変わらない、朝がやって来た。私とショウタ君は走って学校に向かう。
「急がないと遅刻だよ!」
「あいつ何してんだよ…!とりあえず間に合ったか…。」
チャイムが鳴り響く。走って最初の授業がある教室に向かう。
「…はあ!?」
「どうしたの?」
「ふざけんなよなんだよ臨時ホームルームって!!!」
授業の代わりに臨時ホームルームが入っていたらしい。急いで走り、教室へ駆け込む。
「セーフ!セーフだよなこれ!」
「授業なくて助かった…。やったねショウタ君!」
遅れて教室に入ってきた私たちを、皆が険しい顔で見つめる。
「何だよ…。…ってあれ?先生は?」
「お前まだ聞いてないのかよ…。」
「は?」
「ねえユメミ、これってどういう…」
私の問いかけが聞こえなかったのか、ユメミは遠くで俯いている。
「ああ、遅くなった。」
「先生!ヒカリは?ヒカリは結局…。」
え?
私ならここにいるよ!
皆…なんで…
「非常に残念なお知らせだが…ヒカリさんはつい先程お亡くなりになったとお母さんから連絡があった。交通事故で…即死だったらしい…。」
教室からどよめきが起こる。
みんな私の方なんか見向きもせずに…
思い出した。
そうだ、私…
昨日の夜、トラックに巻き込まれて…
「今日通夜があるから都合つく者は参列するように。じゃあ先生、その事で色々やらなきゃ行けないことがあるからな。高宮先生に頼んで1時間目は自習にしてもらった。しばらく、大人しくしていなさい…。」
先生は血の気が引いたような顔で教室を出ていった。
「そんな…。昨日まで元気だったのに…。」
「信じられないよ…。」
「もっとやりたいこと、沢山あっただろうにな…。」
皆が一斉に語り出す。中には泣いている者もいた。
「私…昨日ヒカリと別れて…"また明日ね"って…。でもあの時…私がもっと長く一緒にいてあげれば…。」
ユメミが泣き崩れる。
嫌だ、こんなのは見たくないよ。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!!!
気がつくと私は自分の家に戻っていた。
空は少し暗い。
記憶はあまりないが、誰に見向きもされないまま街中をさまよっていたのだろう。
私は自分の家のドアにかかっているものを見て、驚愕する。
"忌中"と書かれた札が、そこにはあった。
「お邪魔します。」
しばらくして学生服を着たマナブ先輩とヒロミ先輩が私の家を訪ねて来た。
喪服を着たお母さんがドアを開け、2人は中に入る。
「よく来たわね。顔みてやってちょうだい。」
家の中に2任を招き入れお母さんがそう言った。
和室に布団が敷いてあり、誰かが寝ている。
そしてその顔にはドラマでしか見た事がないような白い布がかけられていた。
マナブ先輩がその布を取る。
「ああ…。嘘だろ…。寝てるだけだろ?なあ!」
「ヒカリちゃん…。そんな…。」
そこにあった顔は、紛れもなく、私だった。
ほかの友達も続々と入ってきては、同じような反応をする。
自分のことなのに見ていられない。
自分にかけられている最後の言葉さえ、満足に聞いてやることが出来ない。
ただ…単純に…
寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。