第19話

9/18②
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2020/04/05 13:44 更新
荒木澄香
荒木澄香
あんたはまだ通知登録してないみたいね。
突然澄香が俺に"If story"の第8話が更新されたという通知画面を見せてきた。

しかしそれがおかしな話であるということに俺が気づくまでにはそう時間はかからなかった。
荒木澄香
荒木澄香
あんたにはずっと黙ってたんだけど、私も見てたんだ、Heavennovel。
丸山丈
丸山丈
お前…嘘ついてるだろ?
荒木澄香
荒木澄香
何言ってんの?
私は嘘なんかついてない!
ちゃんとこのサイトで…
丸山丈
丸山丈
だったらこの通知そのものがおかしいんだよ!
俺は澄香に声を荒らげる。
今まで上げたことの無いような声を出す。

澄香は少し驚いていたが、尚も静かに俺の話を聞こうとする。
荒木澄香
荒木澄香
一体なんのつもり?何が言いたいの?
丸山丈
丸山丈
俺この小説の続きが読みたくてそれこそお前みたいに通知登録をしようとしたよ。
丸山丈
丸山丈
でも出来なかった。
サイトの隅々まで探したし、ブラウザの設定もいじったけど出来なかったよ。
荒木澄香
荒木澄香
あんたが何か見落としただけでしょ?
丸山丈
丸山丈
なら今ここで"Heavennovel"を開いてみてくれ。
荒木澄香
荒木澄香
分かったわ、あなたに見せてあげる。あんたが大好きな小説の続きを…
丸山丈
丸山丈
俺が言ってるのは"Heavennovel"のサイトそのものだよ!!!
荒木澄香
荒木澄香
なっ…。
澄香が戸惑う。
ガツンと効いたみたいだ。
丸山丈
丸山丈
…出来ないだろ!
だってお前は今サイトにアクセスする権限を持っていないんだからなぁ!
荒木澄香
荒木澄香
どうして…それを…。
丸山丈
丸山丈
俺がアクセスできなかったし、それに…
俺の携帯の音が続けざまに2つ鳴る。
メッセージの音だ。

俺はすかさず携帯をいじり出す。
丸山丈
丸山丈
まずは俺、サイトにはアクセスできない。
そして…
携帯のメッセージ
新着メッセージ2件
溝口大輝:お前のくれたURL繋がらないぞ?
柴田悟:どうやら君の言う通りサイトは閉鎖しているらしい。
荒木澄香
荒木澄香
これ…。
丸山丈
丸山丈
柴田も溝口もアクセスできないってよ。
そんなサイトが、今お前に通知を出せるか?
荒木澄香
荒木澄香
違うの…これは…
丸山丈
丸山丈
それとサイトの仕様を理解していないあたり、お前は"Heavennovel"の本当の姿を知らないだろ?
丸山丈
丸山丈
だからお前は嘘をついてる。
お前は俺を騙そうとしている。
違うか?
俺はキツい言葉を使いつつ澄香を問い詰める。
澄香が何でこんなことをしているのか、俺には理解ができない。
そのためだけに俺を居残らせ、こんな馬鹿みたいな真似を…。
いくらあいつのことをウザイと思っても今日程は思ったことは無い。だから…

違う。

あいつは…もしかしたら…
荒木澄香
荒木澄香
お見通し、なのね。
何もそんなに怒ることないわ。
ちょっと脅かそうと思っただけよ。
だから勝手かもしれないけど、気分を…
丸山丈
丸山丈
待て。
荒木澄香
荒木澄香
今度は何よ?
丸山丈
丸山丈
それだけじゃないだろ?
荒木澄香
荒木澄香
え?
丸山丈
丸山丈
お前は"Heavennovel"のことは知らなくても…
丸山丈
丸山丈
俺が探してる"If story"の8話なら知ってるんじゃないのか?
荒木澄香
荒木澄香
知らない…。
丸山丈
丸山丈
嘘だ!
だったらなんで"俺に8話を見せてやる"なんであんなに堂々と言えたんだよ!
観念したのか、澄香はスマホを取り出す。

…が、再び手が止まる。
荒木澄香
荒木澄香
ええ、確かに私は8話を知ってるわ。
私のスマホにはそのテキストデータが入ってる。だけど…
丸山丈
丸山丈
だけど…なんだよ。
荒木澄香
荒木澄香
私はさっき、あんたがこの小説にかけてる思いがどのくらいなのか試した。
それで結局、あんたの熱意にはかなわないと思ったわ。
だけど…
荒木澄香
荒木澄香
違う、だからこそ、あなたに8話を見せるべきなのかどうか、私は分からなくなってくるの。
澄香は俯いてそう語る。

まさか8話に書いてある内容は、俺の心情を抉るようなものなのか?
丸山丈
丸山丈
俺を舐めるなよ?
変だったり微妙な展開とかなら俺全然大丈夫だし…!
荒木澄香
荒木澄香
ふざけてる場合じゃないの!
澄香が怒鳴る。
俺はそれを見てやはり8話が何か恐ろしいものであることを察した。

でも、だとしても…

俺にはこの小説の続きを見届ける義務がある…!
丸山丈
丸山丈
頼む、見せてくれ。
どんなことが書いてあろうともこの小説の続きとして受け止めるから。
荒木澄香
荒木澄香
何が書いてあっても、見たことを後悔しない?
丸山丈
丸山丈
ああ、約束する。
荒木澄香
荒木澄香
じゃあ、見なさい。
その"8話"って書いてあるテキストファイルよ。
荒木澄香
荒木澄香
念を押しとくけど、後悔しても知らないからね。
澄香が口うるさく警告してくる。
普段なら反論や無視でどうにかなっていたが今回ばかりは聞かずにはいられない。

俺は1度深呼吸をして、そのテキストファイルを開いた。

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