第21話

21Days
260
2022/05/13 12:00
さとみを傷つけて一日経った。






これで、よかった。


これが、よかった。


すべて、計画どおり。



これが、正解だった。

でも、


やっぱ、すこし


莉犬
辛いな…w

罵倒して、陥れて、悲しませることが、守ること。






何がだよ。

壊してるだけなくせに。

さとみを、辛くしてるだけのくせに。

…でも、こうするしかないんだ。


莉犬
…死のうか。


早く、死のう。


そうしようか。

感情なんて、ほしくなかったな。



愛なんて、知りたくなかったな。
この病院の屋上は出入り可能なところだ。


そこにしよう。

ごめんなさい。



最後まで迷惑かけて。

けど、俺の我儘も聞いてください。




病気に負けて死ぬより、自分で死んだほうがいいんです。


そうすれば病院費も少しは安く済みますか?

今自殺してもそれは「病気に負けたくなかった」という理由になって、母が社会から責められない理由になりますか?


昔自殺していたら、母は社会から批判されていたでしょう。

今は自殺しても大丈夫な理由があるんです。


莉犬
痛っ、

心臓辺りが苦しくなる。

血が送れなくなっている。


毎日のことだ。

背中もギシギシと痛んでいる。

もう、どの道死ぬということを教えられる。

遺書を送りたい。

自分の死は病気のせいだということの証明や、さとみへの感謝等。




…言葉にうまく表せない。 


「俺は、俺であるために死んだだけです。

家族には幸せに過ごしてほしいです。
これ以上はもう望みません。

母さんは何も悪くありません。
最後まで尽くしてくれました。
俺の病気のせいです。

ずっと心配かけてごめんなさい。

沢山愛を教えてくれてありがとう。
健康に気をつけて、過ごしてください。

母さん一人でも生きていけます。
父さんには、よろしくと伝えてください。

ずっと見守っています。

伝えきれない感謝を、ありがとう。」





最後まで書いててバカだと思った、



書ける分だけ、社会に公表するものだけ書いた。


さとみ宛には何通か書いた、




俺は、早く屋上に、行こう。



階段をあがりながら言った。






莉犬
俺は、いい子だったでしょうか。
莉犬
最後まで、逃げてます。
莉犬
そんな俺でも
莉犬
俺が、俺でも、
莉犬
愛されたかっただけ…。
こんなに愛されることは難しかったのかな。


莉犬
全てが間違ってました。家庭も、性別も、全部、ぜんぶ。
莉犬
やり直せると思ってんです。けど、俺単体では、どうにもいきませんでした。
莉犬
ただ、俺は、俺は



莉犬
幸せになりたいだけでした…。




人の幸せを優先しすぎて、











自分も幸せになりたかった。










自分はここにいた。







ドアに触れる手が異常に冷たかった。







2週間後投稿

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