歩いて数分程。
案の定、薄暗く人が通らなそうな路地裏に来た。
単刀直入に武道にそう言われた。
武道まで暗い思いをさせないよう、頑張って明るい声を出す。
だけど、自然と目からは雫がこぼれだした。
武道の顔は、何かに耐えているように口をギュッと結んでいる。
まわりに気を遣わせて、傷つけて、それでもどうしようもなくて
こんな私が嫌いだ。
いつもは、否定してくれる人がいるから…
私はここにいていいんだ、って思えて嬉しかった。
なのに、今は……
そんなこと思えない
目の前に立っている、武道の純粋無垢な瞳が私を追い詰めてくるようだ。
苦し紛れの罵倒。
こんなこと言いたくなかった。
『まわりまで幸せにしてしまうような』
武道にとっては何気なく口にした言葉だっただろう。
けど、その言葉は…私の心を抉った。
こんな時に…また、アイツが……
つい大声を出してしまった。
武道の顔がひどく傷ついた顔に変わる。
でも、自分の失言に気づいたときには遅い。
こんなこと言いたくないんだ。
本当は
『こんなこと言ってごめん』
そう言いたいのに、
本当は、言いたくないこんなこと
私の胸の奥で、黒い何かが渦巻いた。
そこで気が付いた。
あぁ、私は
黒い衝動に操られているただの人形だ。
武道は優しいから
こんなことを言う私を叱ってくれない。
罵倒することも無い。
武道の目は…小さな子供をなだめるような目をしていた。
“人生で唯一の中学時代の彼女を亡くし、人を救うためタイムリープをしている”
武道の目には、これまでのタイムリープの悲しみ、後悔、憎悪……すべてが詰まっている。
でも逆に、黒い汚い私と比べられている気がして我慢ならなかった。
ダッ
私はその場から素早く姿を消す。
ごめん武道。
私にはこうするしかないから
私の足は、
武道の純粋無垢な目から逃げているのか
黒い衝動から逃げているのか
それとも――
自分自身か。
皆さん1年間お疲れさまでした!
最近更新してなくて本当にすみませんでした…😓
来年もこの小説をよろしくお願いいたします😆
これからも精進します!
良いお年を!











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。