第28話

黒い衝動の操り人形だ
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2023/12/28 10:16 更新



歩いて数分程。

案の定、薄暗く人が通らなそうな路地裏に来た。
武道
で、なにがあったんすか?
単刀直入に武道にそう言われた。
あなた
あ、えっと……
あなた
暗い話なんだけど
武道
……いいっすよ
あなた
……昨日、夢を見た
あなた
変な夢なんだ…真っ暗で、なんも見えないとこにいるの
あなた
歩いていくと、幹部たちがいて
名前呼んでも反応しなくて、、
あなた
そしたらマイキーが振り返って、………頬を叩かれて、罵倒された
あなた
親を殺した殺人者だ、ってさ


あなた
気づいたらクラスメイト、教師、親とかもいて
土下座…しても、冷たい視線は変わらなかった
あなた
マイキーが、『お前なんか大嫌いだよ』って………っ




武道まで暗い思いをさせないよう、頑張って明るい声を出す。



だけど、自然と目からは雫がこぼれだした。
あなた
………っ
武道の顔は、何かに耐えているように口をギュッと結んでいる。



あなた
ねぇ、武道……


あなた
私、どうすればいいんだろ


あなた
自分でも制御できないものを抱えて、
まわりを傷つけることだって他人事じゃない

まわりに気を遣わせて、傷つけて、それでもどうしようもなくて



こんな私が嫌いだ。
あなた
……………クズだ、私


武道
………そんなことないっすよ
あなた
っ!
いつもは、否定してくれる人がいるから…

私はここにいていいんだ、って思えて嬉しかった。


なのに、今は……



そんなこと思えない


目の前に立っている、武道の純粋無垢な瞳が私を追い詰めてくるようだ。
あなた
……武道になにがわかるの
苦し紛れの罵倒。

こんなこと言いたくなかった。
武道
………わかりますよ
武道
あなたの下の名前さんのこと…少ししか見てないですけど、わかります。
あなたの下の名前さんは…明るくて、いつも笑顔で…


武道
まわりまで幸せにしてしまうような人なんです


                   『まわりまで幸せにしてしまうような』
武道にとっては何気なく口にした言葉だっただろう。


けど、その言葉は…私の心を抉った。
あんたのせいで、まわりにいた人たちは
みんな不幸になったんだよ?w


苦しい思いをして育てたのに、何の意味があったんだろ。
親が可哀想だよww
こんな時に…また、アイツ黒い衝動が……
あなた
私は、まわりを不幸にするやつだから
あなた
生きてる価値なんかないんだ
武道
武道
そんなことな――
あなた
あるんだよ!!
つい大声を出してしまった。

武道の顔がひどく傷ついた顔に変わる。
でも、自分の失言に気づいたときには遅い。




こんなこと言いたくないんだ。


本当は
あなた
武道に何がわかるんだよ!!
『こんなこと言ってごめん』


そう言いたいのに、
あなた
知ったかぶりなこと言わないでよ!!
本当は、言いたくないこんなこと



私の胸の奥で、黒い何かが渦巻いた。
『何にも知らない癖に』
あなた
何にも知らない癖に!!
『私の辛さは、お前なんかにはわからない』
あなた
私の辛さは、お前なんかにはわからない!!!
そこで気が付いた。

あぁ、私は


黒い衝動に操られているただの人形だ。


武道は優しいから


こんなことを言う私を叱ってくれない。

罵倒することも無い。
武道の目は…小さな子供をなだめるような目をしていた。




“人生で唯一の中学時代の彼女を亡くし、人を救うためタイムリープをしている”
武道の目には、これまでのタイムリープの悲しみ、後悔、憎悪……すべてが詰まっている。


でも逆に、黒い汚い私と比べられている気がして我慢ならなかった。





ダッ




私はその場から素早く姿を消す。


ごめん武道。


私にはこうするしかないから



私の足は、


武道の純粋無垢な目から逃げているのか


黒い衝動から逃げているのか



それとも――









自分自身か。
皆さん1年間お疲れさまでした!
最近更新してなくて本当にすみませんでした…😓
来年もこの小説をよろしくお願いいたします😆
これからも精進します!

良いお年を!

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