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序章
東京、渋谷
栄えたところから少し離れ、
人気のない裏小道に佇む小さい古民家。
そこには"契妖怪事務所"と看板が掛かっている
そこの中から出てきた
狐の耳、尻尾がついた少女は
くふくふと笑いながら店の敷居に
かかっている看板を"準備中"から
"いつでもお越しください"にひっくり返す。
そして古民家の中へ消えていったのだった
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渋谷、スクランブル交差点を跨ぎながら呟く角の生えた少女は言う。
スキップしながら歩いてはいるもののその様子は結構困っている様であり表情を曇らせていた
怒り心頭でずんずんと交差点を過ぎると見知らぬ裏小道に入ってきてしまったようで少々狼狽える少女。
俯きぷるぷると震える少女。
暫く震えるとようやく口が開いたと思うと発せられたのは
絶叫。
そして少女はものすごいスピードで裏小道を駆け巡り、何かの看板にぶつかった。
少女は古民家を見上げ
"契妖怪事務所"と書いてある看板を見るなり口角が上がりほくそ笑む。
安堵の表情を見せたあと少女はずかずかと店の敷居をまたぎ暖簾を潜る。
すると中から
と声が聴こえた。
声が聴こえたと思ったらいつの間に目の前にか銀から蒼に変わる髪を持つ少女が現れた。
その少女はやけに京訛の言葉を話す。
そして言葉通りに少女は呼ばれた方に足を向け、明るくなった先には少し不気味な目ん玉がついた提灯、そして障子に筆で落書きされていたりチラシが張ってあり、座布団が3つ2つ置いてある部屋があった。
つり気味の目を細め笑う少女は
どこか不気味にも見えるが
頼れそうな感じがあった。
少女は細めていた目を元のとおりにし、首を傾げ向かいに座っている少女の角が生えているあたりの自分の額に手を当てに言う。
少女はそう言うと頭から耳を生やし次に尾を生やした。
そう言うと少女、氷翠は深く頭を下げる
互いに自己紹介を済ますとさて本題と言わんばかりに鬼天が話を持ちかけた。
思い当たる節があるのか氷翠が顎に手を当てながら言う。
申し訳無さそうに笑う氷翠は
少しお待ちを、と言って障子チラシやら落書きがされている障子を開け
奥に入る。
氷翠は奥から出てくる。
氷翠はむりやり鬼天を立たせると
部屋から出て障子を閉める。
そして店の暖簾をくぐり店の看板を
準備中に切り替える。
そう氷翠は言い張ると手印を組む。
するとあたりが冷たい風に包まれ
まつげが少し凍る。
それから2分ほどたつと風がやみ、気づくと奥多摩の見慣れた山奥が現れた。
氷翠は柔らかく微笑むと
鬼天に聞く。
鬼天はだっと氷翠の手を引き走る。
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暫くすると鬼の里が見えてくる。
よく見ると河童と鬼があーだこーだ揉めている。
二人は若干呆れ顔をする。
すると鬼天は、はぁ…とため息をつく
"力"というワードに少し引く鬼天であったがふと氷翠が「あっ」と声を上げる
目を細め笑う氷翠はさながら悪女だが、そこは置いといて確かにと鬼天は頷いた
そうして顔を見合わせる二人はまるで相棒のようだった
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ずんずんと長い列を率いれ鬼と河童の前に割り込む。
氷翠はにっこりと人好きのいい笑顔を浮かべ双方を見る。すると列が崩れ子鬼と子供の河童が飛び出てくる。
大人達へのダメージは結構大きいようで開いた口が塞がらない大人達。そこへトドメと言わんばかりに子鬼子河童達が揃って
という。それには敵わないようで大人達は顔を見合わせながら
氷翠は裾で口元を隠しながら
くすくすと笑う。
お願いがあるという鬼天に氷翠は首を傾げ聞く。
その言葉に氷翠は目を丸くして「えっ…」と呟く
少し悩みつつも氷翠はそういう。
二人は握手を交わし
事務所に戻るのだった
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こんちくわ!主です!
この度契妖怪事務所は荒っぽいを
読んでくださりありがとうございます!2日に一回は更新する予定なのでよろしくお願いします!
氷翠ばりばり京訛りですがよろしくお願いします~
アンケート
それとこれ長いかしら!?
普通だと思っとったんやが
いやいやいや普通やー
0%
なげぇよ!短くせぇ!
0%
みぢか!長くしろ!
0%
なんでもいいわァ…めんどくさっ
0%
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!