翌日
教室には、いつものような賑やかさが戻っていた
誰かが笑い声を上げるたびに、それが伝染するように次々と冗談や会話が飛び交い、活気に包まれている
だけど、今日
いつもと違うのは……
そう、桜君が学校に来ていないということだ
楡井君がスマホを取りだして、桜君に電話をかけた
プツ
ツーツーツー…
楡井君が教えてくれた桜君の家は、入居者募集の看板が錆びて、剥がれそうになっていたり、草が伸びっぱなしになっているなど明らかに管理が行き届いていないようなボロアパートだった
私たちは桜君が住んでるという201号室に向かった
楡井君がインターホンを押したけど、壊れているようだった
蘇枋君がドアを開け、声をかけたが返事はなかった
ドン!
桜君は驚いたような表情を浮かべていた
蘇枋君は、辛そうな桜君を見て布団で休むよう促した
家の中に入ると、まるで人が住んでいるとは思えないほど何もなかった
家具も装飾もなく、そこにあったのはたったひとつ、薄い布団だけだった
こんなところで一人暮らししてるなんて……
桜君ももしかして……
楡井君が買ってきた物を桜君に渡した
桜君の言葉を聞いた瞬間、胸が痛んだ
「1人で何とかしてきた」という彼の言葉には、どこか寂しさが滲んでいる気がした
強がっているように見えるけど、本当は無理をしているんじゃないか……
そう思うと、少しでも頼ってほしいと感じずにはいられなかった

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。