ちょっと脅かすように言った瞬間
本当に電話が鳴った
電話をとって「もしもし」と出ると
案の定、ジェイクのお父さんだった
ジェイクの方を見ると
彼は全力でばつ印を作っている
私は笑いを堪えるのに必死だった
声のトーンが一段低くなった
がんばれジェイク
電話を切ってリビングに戻ると
ジェイクはクッションに顔を埋めていた
そう言いながら励ましの言葉で
背中を軽く叩くと、彼は小さな声で
「もう帰らない…」と呟いた
食べるんかい
こんな時でも食欲旺盛なんだ
いいことだね
冷蔵庫を覗いてチゲを作ると
ジェイクは子供みたいに箸を動かしながら
あっという間に平らげた
飲み干されたコーヒーを入れ直して
そのまま彼の前に座った
ジェイクはスプーンを動かしながら
視線だけこちらに向ける
なんかちょっと失礼じゃない?
とは言わなかった
靴を履きながらジェイクが振り返る
彼は嵐みたいに去っていった















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。