お菓子の棚を覗くと
箱の中は綺麗に空だった
小さなため息をついて
デスクに座ると
と声をかけてくれた
文字に集中し始めたその時
軽くノックの音がした
現れたのは、私と同じように
眉間に皺を寄せたジェイさんだった
スーツの襟元まで完璧で
いつもと変わらないリムレスメガネ
彼は無言のまま書類の束をデスクに置き、
一枚の資料を指で押さえる
ジェイさんは頷く
それだけ言って彼は踵を返した
その時、湯気の立つポットを持って
戻ってきたジョンウォンが口をひらく
ジェイさんは足を止め
ジョンウォンを見る
一瞬眉間のシワがなくなったけれど
優しい声で言った
そして静かにドアが閉まる
窓のそばに立って
いくつも並ぶビルを見下ろす
仕事が楽しくないことはないけれど
やっぱりどこか、息苦しい
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!