一二三と話すのはとても楽しい。
後ろから車のクラクションが聞こえる。
その時、
キキーッ!
ドンッ
俺が目を覚ました時にはもう
一二三の姿は見えなかった。
見えたのは救急車と沢山の人集りだけ。
一二三が俺をかばったから、
俺の体は痛くもなかった。
一二三がいないと俺の生きる意味が
ないじゃないか。
確かに俺の喉から発されたその声は、
別の人の声に聞こえるくらい枯れていた。
もういっそ俺も一二三の所へ…
そうだった。俺には仕事が沢山あるんだった。
動く気力がないから部屋で終わらしてしまおう。
終わらさないと、死んだ後ハゲ課長に
一生追いかけられそうな気がしたから…
力が抜けている手でパソコンを開く。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。