前の話
一覧へ
次の話

第1話

私の声
715
2022/12/26 16:26 更新
私はいつも憧れていた。



〝普通の恋愛〟に


私は生まれつき難聴だ。


人の声は全く聞こえない。口の動きだけで判断するしかないのだ。


そんな時に君が来た。
宮侑
宮侑
…転校生の宮侑です。よろしくお願いします

整った顔立ちに少し関西の血が入ってるであろう喋り方
宮侑
宮侑
先生〜
先生
先生
どうした?
宮侑
宮侑
俺、ここの席や無くて、あそこの席がええんやけど
先生
先生
…今回だけだぞ
宮侑
宮侑
……はーい

少し我儘な子なんだと思いながらいると

彼は私の席の隣に座った。
宮侑
宮侑
…よろしく〜
彼は私にそう言った。

私も声を出したい、でも声が怖くて出せない。
あなた
ペコッ
宮侑
宮侑
無視しやんといてや

私は紙に急いで書いた

『耳が聞こえないので、喋る事が難しいです。ごめんなさい』
宮侑
宮侑
へぇー。
宮侑
宮侑
じゃあ俺の声も聞こえとらんのよな?
あなた
コクリ
宮侑
宮侑
アンタが残念やったなぁ。俺の声聞こえんとか可哀想すぎるわ
『そんなに良い声なんですか?』
宮侑
宮侑
当たり前や
あなた
パチパチパチ
先生
先生
おーい侑くん私語を慎みなさい
宮侑
宮侑
うっさいな。今ええ所なんやから、邪魔すんなや
先生
先生
転校生だから、甘えていいと思うなよ。
宮侑
宮侑
思っとらんわ。
想像以上に悪ガキが来たな。
宮侑
宮侑
俺、バレー部入ろうと思ってんやけどマネージャーやらへん?
『私耳聞こえないし、遠慮しとくよ。足引っ張っちゃうだけだし。』
宮侑
宮侑
マネージャーやるのに耳が聞こえないって関係あんのか?
『それは分かんないけど。足引っ張るし。』
宮侑
宮侑
何においても皆足引っ張るやろ。それを周りがどう対処するんかが1番大切なんちゃうん?
『侑君素敵だね。今日は部活見学だけしてみてもいいかな。』
宮侑
宮侑
こっち来いや
宮侑
宮侑
こんにちは
北信介
北信介
…体験入部の子やんな?
宮侑
宮侑
はい
宮治
宮治
はい!
あなた
コクリ
宮侑
宮侑
サムもやっぱバレーなんやな
宮治
宮治
当たり前やろ。
北信介
北信介
…それじゃあ一応2対2やろか。
北信介
北信介
…どうや?
宮侑
宮侑
…良かったです。
見ていて正直度肝を抜かした。
試合じゃないのにあのピリピリした感じ。
これがバレーなんだって思った。
北信介
北信介
君放ったらかしにしてごめんな。
北信介
北信介
名前なんて言うん?
あなた
…あ、え、あ、
頑張れ。気合いで言うんだ。
あなた
あなたれしゅ!
上手く言えてたのかな。それすらも分からない。
宮治
宮治
噛んどるやん笑
あなた
…ッ
噛んでたんだ。どこが噛んでたんだろう。
北信介
北信介
……なにがおもろいん?
宮治
宮治
え、いや、
北信介
北信介
なぁ。言うてみいや。
宮治
宮治
噛んでたのが面白かったです。。
宮治
宮治
(怖)
宮侑
宮侑
(怖)
北信介
北信介
…噛んでたらおもろいんやな。変なツボやな。
北信介
北信介
あなたちゃん耳聞こえへんのやろ?
宮治
宮治
え…
あなた
コクリ
北信介
北信介
耳に補聴器着いとるですぐ分かったわ。
北信介
北信介
治。
宮治
宮治
はいっ
北信介
北信介
耳聞こえん子は喋る時どうしても滑舌が悪くなんねん。
北信介
北信介
それでも頑張って言ってくれたんやから笑うとこちゃうやろ。
宮治
宮治
はい
宮治
宮治
あなたちゃん。ごめん。
私は手で丸のポーズをとった
宮治
宮治
でも耳聞こえんのにどうやって聞き取っとるん?
『口の動きです。』
宮治
宮治
え!すげ。天才やん
宮侑
宮侑
…口の動きなんや、すげぇ
宮侑
宮侑
今日はありがとうございました。
宮治
宮治
ありがとうございました
北信介
北信介
じゃあまた明日な
あなた
北信介
北信介
なんや帰らんのか?
私が急いで紙に書こうとした時だった
北信介
北信介
なぁ
北信介
北信介
もう1回喋ってみてくれへん?
あなた
…え、
北信介
北信介
…いややったらええんやけど。いい声やったから。自信持ちな
私の声がいい声?そんな事誰にも言われたこと無かった。
昔は滑舌が悪いせいか虐められたりもした。
涙が止まらなかった。
北信介
北信介
ごめん、そんなやな事やったんか?
あなた
うれひくて、
あなた
あじがちょうございまちゅ
北信介
北信介
そっちの方がええわ。

プリ小説オーディオドラマ