第17話

譲ってくれ
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2019/06/17 14:05
昼休みの後、零と二人で教室に戻る最中 

零は言った。
あなたちゃんっていい子だね。
敦也
ああ。いいやつだな。
俺は初めてあったときのことを思いだし微笑んだ。

彼女のおかげで今たくさんのことが頑張れているといっても過言ではない。

そんなことを考えていると零が話し始めた。
…俺、あなたちゃんのこと好きになったかもしれない。もし、お前も彼女のことが好きなんだったら俺に譲ってくれないか?
真剣な顔して零が言う。

彼女を諦める…?俺にそんなことできるのだろうか。

だけど、零にも幸せになってほしい。

どの選択が正しいのか俺には分からなかった。
敦也
敦也?
零が俺の名前を呼ぶ。

その声にハッと我に帰る。 
敦也
あ、ああ。わりぃ
零の顔を見ているとどうしても“No”とは言えなかった。
敦也
…お前に協力するよ。
ありがとう。
俺の返答に嬉しそうに笑って零は言う。

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