資料の整理をしている最中だッた。
紙の端に、ふと視線が落ちる。
何気ない瞬間。
だから、余計に逃げられなかッた。
文字が浮かぶ。
――「どうして、黙ッてたの?」
――「信じてたのに」
たッた二行。
それだけで、分かッた。
言えば、壊れる。
相手は、中島クンだッた。
心臓が、遅れて音を立てる。
これは予言じゃない。
“起こり得た未来”。
でも、この場合、可能性は一つしかない。
逃げるように資料を閉じる。
異能力が、まだ残っている。
続きを読めば、もッと詳しく分かる。
いつ、どこで、どんな顔で。
でも、読まない。
読まなくても、十分すぎた。
後ろから声がして肩が跳ねる。
中島クンだッた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。