製作者達の居る世界の大図書館の用な工場の用な役割を持つ建物、『白紙の塔』は所謂
【妄想の溜め場】、つまり誰もが持つ【想像力】の事である。
その『白紙の塔』の管理人は作者の一人、舞山茶々で、今日も物語を作り続けるのだが……
パリンッ、と茶々は持っていたガラス玉を
叩き落として割った。
茶々はガラス玉を棚から出しては叩き落としてを繰り返す。
そう、現在茶々は物語を書く皆が1度や2度経験するであろう【ネタ切れ】の状態なのである。
物語はネタが無いと作り続けれない、
ましてやネタがなくなってしまえば更新停止、
もっと酷い時は強制的に終わらせるしか無くなる。
簡単に言えばAメロとBメロはあって、重要なサビとラスサビだけが無い曲や
重要な部分や良い所で連載終了する漫画のような感じである。
とりあえず茶々は塔を出て、
さくらんの管理する年中桜が満開の
『絆の大木』へ向かった。
茶々は若干キレながら言った
さくらんは何処からともなく三色団子と抹茶を取り出し、
口の中に頬張った。
さくらんはポ○テピの怒った顔をしながら茶々に叫ぶ。
茶々は笑みを浮かべて塔に戻っていった
木の枝の上に登ったさくらんは、
塔に戻っていく茶々の背中を見ていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!