第155話

EP. 147
1,275
2024/09/14 12:02 更新







午後2時頃にはあなたも空腹になったようで、

ホールのスイーツビュッフェに向かった。




ユンギ様、このタルト
本当にすごく美味しいんです
_@_
ㅎ 俺はいいよ




チョコレートタルトを一切れ皿に盛り付けて

こちらに寄越してくるあなた。
 
甘いものの気分じゃないので断るが、

「美味しいのに…」となぜか諦めが悪い。




昨日も召し上がらなかった
じゃないですか…?
_@_
俺が甘いものを
好かないのは知ってるだろ
でも、これは少し
ビターな感じで…
_@_
…まったく ㅎ
どうしてそんなに
食べさせたがるんだ?
_@_
俺はお前が美味そうに
食ってるだけで十分なのに




少々からかいのニュアンスでそう尋ねると

思いのほかあなたは真剣な表情で答えた。




わ、私もユンギ様が美味しそうに
食べてるところを見たいんです…!
昨日みたいにユンギ様が好きな物を
食べているところが見たいんです…
_@_
昨日、って…あぁ




肴じゃなくて魚だと勘違いされたアレか…




甘いものじゃなければ…
他に何が好きですか?
魚以外に何を美味しそうに
食べてくださいますか…?
_@_
あぁもう、分かった分かった ㅎ
_@_
好かないってだけで
嫌いなわけじゃないんだ、
そこまで言うなら食べるよ




俺はあなたが幸せそうに

食事をしている姿を見るのが好きだ。
 
長く共に過ごしたからかは分からないが

どうやら妙なところが似てしまったらしい。




それに、俺の第一の好物は決して魚ではない。



俺が皿を受け取れば

満足げな笑顔を見せるあなたは、


まるで尻尾を振る子犬のようだった。




しゅんと眉尻が垂れ下がったり、

かと思えばパァっと顔が明るくなったり。
 
本当に素直で、なんて可愛い俺の娘。




_@_
💭 娘、か…




"娘" には普通、あんな情は湧かないはずだがな。
 
心の中で自分を冷笑しつつ

俺はタルトを口に運んだ。




ユンギ様、甘いものも
好きになれそうですか?
_@_
…そうだな ㅎ
_@_
お前のおかげで
大好物になるかもしれない




俺の言葉に素直に喜ぶあなたを撫でて、

それからまたタルトを一口。




…少しビターだとか言ったくせに

まったくもって甘ったるいじゃないか。
 
チョコレートの、ずっと口内に纏わりつくような

この執拗い甘さが好かないんだ。




それに比べて俺のあなたは


こちらから追い求めたくなるような "甘さ" で

気付けば俺を夢中にさせる。
 
甘味にこれっぽっちも興味がない俺を

ここまで夢中にさせる。




大好物だ…もう二度と手放せないほどに。
 
夢中どころじゃない、中毒だ。



ずっと味わっていたくてしょうがない。




_@_
…あなた、ついてるぞ
…?
 
…!//




俺は彼女の頬に手を添えて、

口端のチョコレートをぺろりと舐め取った。
 
ついでに唇に触れるだけのキスを落とすと

あなたは顔を真っ赤にして俺を見上げる。




こ、ここは
人がたくさん…っ、//
_@_
ㅎ…知ってるさ、そんなこと
_@_
俺がキスしたくなったからそうしたんだ
…っ //




赤らんだ顔を隠すように俯いてしまったあなた。
 
あぁもう本当に、

こうも愛らしいと我慢できなくなる。




_@_
…そろそろ部屋に戻るか
え…?
ど、どうして…
_@_
早くお前と2人になりたい
_@_
…それともお前は
俺よりタルトを選ぶか?ㅎ
それ、は… //




頬杖をついてわざとらしい笑みを

浮かべながら尋ねれば、


もう答えは決まっているようなものだった。
 
あなたは急いでタルトを口に運ぶ。




こ、これだけ食べたら戻ります… //
_@_
ㅎㅎ
ゆっくり食え




昨日と同様、俺とあなたには

刺さるような好奇の視線が注がれている。
 
あちこちでヒソヒソと話す声が

地獄耳の俺には全て聞こえている。




_@_
💭 …悪いが俺は
   お前らに一切興味はない




そんなことを思いながら周囲に見せつけるように

あなたを愛でるのは、気分が良かった。

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