楽しい時間は一瞬で過ぎていった
遊園地なんて初めてだったので体力が限界を迎えている
私が生きてきた中で1番楽しかったかもしれない
いや 流石に大袈裟か笑
でもそのくらい楽しかった
遊園地だけの理由ではない きっとランスと一緒だったから
私はランスのことがほんの少しだけ好きなんだと思う
本当にほんの少しだけ
今日 少しだけ私の気持ちをランスに伝えてみようと思う
本当にほんの少しだけの気持ちを...
彼は杖をとりだし魔法を唱え綺麗な花束を出した
オレンジ色のカーネーションや白のカーネーションやら
色々な花がある
ランスは片方の膝を地面に付けて花束を両手で持ち受け取ってくれと言わんばかりに私の方へ向ける
少し顔を赤くして口を開いた
私はランスから花束を受け取り
返事を言うために口を開いた
バタン
その瞬間 視界がぐるりと回った
私はランスを“見上げる“
なにが起こったか分かっていないようで固まっている
数秒後 やっとランスは動き出した
それと同時に私も瞼を閉じた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!