前の話
一覧へ
次の話

第23話

end
319
2024/12/03 00:38 更新


________________________





『 痛い 』


「 すまん、足……… 」




アランの足に巻いた布切れは体を激しく揺さぶったからか真っ赤に染まりきり、巻いた意味をなしていなかった。




『 大丈夫だ。 さっきまで気持ちよくて忘れてたから 』


「 あっ…あぁ……… 」




先程の出来事が嘘だったかのようにアランは通常通りに戻っていた。だからといって俺も戻るなんてそんな嬉しい話では無い。確かにお互いハッキリと覚えている筈なのに。




『 ふっ、 何今更真っ赤になってんだ 』


「 ぃ、いや… その…… 」





『 そういやさっき言ってたヤツ 』


「 ん…… ? 」


『 その… 俺と 、ウサギと話せて嬉しいってやつ。 』


「 ああ、そうだな。凄く嬉しいぞ 」



『 ……俺もお前と話せて嬉しいよ 。 』




そう言って照れているのか、ベッドから足を引き摺り離れて行く。




「 本当か ??! 」




忽ちうれしくなった。俺だけじゃなかったんだなって、嬉しさで全てが吹き飛んだ。


___嬉しい、凄く嬉しかったのに




『 でも獣型になったらわかんないけどな 。 』


「 ああ、だから俺はなりたくないんだ… 」





がたん ッ





「 う" ッ……眩しっ …… 」




なんなんだ、この光は……

眩しい………


…眩しい?





『 此処の山小屋 、 この板が外れるんだ 、
 
 ………今日は満月の日だな 。 』




そうだ、 血の匂いに惹かれて外に出てきてしまって
今日は満月の日なのに




『 アラン!! ダメだ、閉めろ!! 』




狭い山小屋全体を満月の光が照らし、姿を隠す場所もなく。更には森の奥と違い遮る木も無く満月光がハッキリと見えてしまっている。




『 ッく" …ぁ"…… 』




頭がザワザワして身体中が痛い。爪も指も、骨がバキバキと音を立てて目の前で変わっていく。

顔も変化したからなのか先程よりキツイ血の匂いにクラクラとしてしまう。




「 ぃ"ッでぇ…いたい"、ぐあぁ"…ッ !

 ッげほ"、 はっ ぁ、あ"ら ッ…ん … …」



『 一晩だけだったが、 お前と仲良くできて、して貰えて本当に嬉しかった 。 』




やめて、やめろよ、そんな最期みたいな
なんでお前は そう っ…





「 アラ ン っ "!!! 」





『 ビリアン 、 ありがとな 』










________________________



プリ小説オーディオドラマ