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第1話

𝑷𝒓𝒐𝒍𝒐𝒈___
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2026/02/28 09:23 更新
恋って、こんなに難しいんだ。


初めてそう思ったのはーー
あの人に出会った日だった。


春の始業式。
体育館の後ろ、少し眠そうな顔で立っていた3年生。


名前を呼ばれた瞬間、ざわつく空気。


「吉田仁人」


笑わない。
無駄に騒がない。
誰にも媚びない。


……なのに、目が離せなかった。


たぶん、あの瞬間から。


私は終わってた。
あなた
おはようございます、仁人先輩!
翌日から、私は毎朝先輩に挨拶するようになった。


廊下ですれ違えば声をかける。
部活終わりも、見つけたら走っていく。


でもーー
💛
……おはよ
それだけ。


目も合わせない。


好き……って言った時なんてーー
💛
軽く言うなよ
って、冷たい顔で言われた。
それでも


それでもね


振り向いてくれないからって、
好きじゃなくなるわけないじゃん。


先輩はいつも距離を取る。
「俺に構うな」

「後輩は後輩だろ」

「期待させること言うなよ」


……そんなこと言うくせに。


雨の日、私が傘を忘れてたら
💛
風邪ひくなよ
って、ぶっきらぼうに自分の傘に入れてくれる。


そういうとこ


ずるいんですけど。


ねえ、先輩。


私はあと何回「好き」って言えばいいですか?


あと何回笑えば、


あなたは振り向いてくれますか?


それでも私はーー


今日も、懲りずにあなたを追いかける。


たとえ、振り向いてもらえなくても。


それでも、


好きだから。
                                  𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝  ︎🌟 20 ↑

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