距離を取られて1週間 。
らんは相変わらず 、俺と距離を取り続ける 。
廊下で名前を呼ばれて 、らんの足が止まる 。
声の先 。俺の知らない女子が 、らんの前に立ってた。
少し緊張した顔 。赤らめた頬 。
これから何が起こるかは大体察しがついた 。
即答すんな あほ 。
そう思いながらも 、俺は壁の影に立ったまま 、
動けなくなった 。
昼休み 。
わざわざ見に行く自分が一番ダサい 。
昇降口の端で 、俺は靴箱の影に立ってた 。
女の声が 、やけに澄んで聞こえる 。
らんの声は 、いつも通り優しい 。
なのに 、胸が嫌な感じにざわついた 。
__ 一瞬 、時間が止まったみたいだった 。
らんは少し驚いた顔をしてから 、視線を伏せた 。
らんがそうはっきり言うと女子が息を詰める 。
綺麗な顔が 、ぐちゃぐちゃになって目に涙を
浮かべ始める 。
____ は ? 頭が一瞬 真っ白になる 。
女子は無理に笑って 、頭を下げた 。
そう言って 、去っていった 。
残されたらんは 、軽く息を吐いて 、髪をかき上げた。
「 好きな人 、誰だよ 」
そう聞きたい気持ちをグッとこらえる 。
俺じゃないことだけは 、分かる 。
分かりたくもねぇけど 。
その日の帰り 。
らんの好きな爆乳ギャル数人がらんを囲う 。
……は?
女子は「あ、そうなんだ」と引き下がった 。
らんは 、そのまま校門の外へ歩き出す 。
俺の横を 、何事もなかったみたいに通り過ぎて 。
待たせてる ?
誰を ?
俺は 、何も言われてない 。
家に帰っても 、らんは普通だった 。
そう言って 、ニコニコ微笑むらん 。
でも頭の中では、さっきの言葉が何度も繰り返される。
好きな人 。
待たせてる 。
思わず 、声に出た 。
嫉妬だって自覚する前に 、感情が先に荒れる 。
俺が突き放したから ?
距離取ったから ?
だったら 、もう俺の問題じゃない 。
そう思いたいのに 。
胸の奥が 、ずっとざわざわしてる 。
次の日も 、らんは女子に話しかけられてた 。
笑って 、優しくして 、でも一線は越えない 。
それが余計に腹立つ 。
コイツまじでモテんだ 。
嫌でもそう分からせられる 。
誰にも聞こえない声で 、そう呟いた 。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。