?なんだか元気ない?
旅行終わっちゃうの、そんなに嫌なのかな
帰りの新幹線
末っ子組はすっかり眠ってしまい
真ん中組は、ゲームを起動したまま、寝落ちしていた
私は兄達の元へ行った
ジェルが腕をまくり
あの傷を出した
聞き覚えのある名前に、息が詰まる
その名前を聞き、彼女の顔が頭に浮かんだ
優しくて、可愛くて、あんなにキラキラした子が
こんなにも、痛々しい傷を生み出した
その情報が私の頭を掻き回した
疑念のこもった目線を感じ取ったのか
ななもりは再び話し始めた
その言葉は、吐き気さえも引き起こそうとしていた
今まで信じていたものが
内側から弾け飛び、
それは私の喉元に熱として現れた
話がまとまらないんじゃない
本当に、なにも言えなかった
頭が真っ白になって
喉が 熱くなって
なにも 言えなかった

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!