第4話

2話「見えませんが、匂いで分かります。」
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2021/06/29 11:58
七海健人
虎杖君…見えますか?喰崎さんは見えますね。これが呪力の残穢ざんえです。
虎杖悠二
いや
全然見えない
喰崎口実
見えませんが、匂いで分かります。
七海健人
それは見ようとしないからです

私達は普段当たり前の様に呪いを視認しています

術式を行使すれば痕跡が残る
それが残穢ざんえ

だが残穢ざんえは呪霊などに比べ薄い

目を凝らして
よく見てください
虎杖悠二
んー?(じとーっと残穢ざんえを見て)

おぉっ!!
見える 見える(ボヤァと見えるようになった)
喰崎口実
へぇー…(七海に言われた通りにじぃーっと見て)

あ、確かに見える!(見えるようになり)
七海健人
当然です

見る前に気配で悟って一人前ですから
喰崎口実
そうですよね…。
虎杖悠二
もっとこう
褒めて伸ばすとかさぁ…(ぐぬぬ…と目を閉じながら上記を言って)
七海健人
褒めも貶しもしませんよ

事実に即し己を律するそれが私です

社会も同様であると勘違いしていた時期もありましたが

その話はいいでしょう

追いますよ
虎杖悠二
押忍!!

気張ってこーぜ!!(両手を合わしてぱしっと音を鳴らして)
七海健人
いえ

そこそこで済むなら

そこそこで
喰崎口実
はーい。
虎杖悠二
(なーんか噛み合わないなー…打てど響かずか…と思ってる)
そして、映画館の中での話しに戻ります。
虎杖悠二
監視カメラには何も映ってなかったんだよね?
七海健人
ええ
被害者以外は少年が一名のみです
虎杖悠二
じゃあ、犯人は呪霊?
七海健人
まぁ

そうですね

あの少年がやった可能性もなくはないですが
喰崎口実
そっちの身元特定は警察の仕事ですよね、七海さん?
七海健人
はい、そうですね
で、映画館の屋上に着いた
呪霊
おべおべんとぅ~(キョロっと目を動かしたて)
虎杖悠二
(ダッと前に出そうになり)
七海健人
ストップ(前に出そうになった虎杖を止めて上記を言い)

コチラは私が片付けます

虎杖君はそちらのもう1体を
呪霊
いいい“~いせんざい
七海健人
勝てないと判断したら呼んでください
虎杖悠二
ちょっとナメすぎじゃない?俺のこと
七海健人
ナメるナメないの
話ではありません

私は大人で
君達は子供

私には君達を
自分より優先する
義務があります
虎杖悠二
ガキ扱いなら
ナメられた方が良かったよ
喰崎口実
うん…確かに、たまに私も虎杖君と同じ事を思う時があるよ
虎杖悠二
ほら、喰崎先輩もそう言ってるよ
七海健人
まぁ、その話はのち程で…

君はいくつか
死線を越えてきた

でもそれで
大人になったわけじゃない

枕元の抜け毛が増えていたり

お気に入りの惣菜パンが
コンビニから姿を消したり

そういう小さな絶望の積み重ねが
人を大人にするのです
(と上記を言えばスーツのボタンを外したら武器を手にして)

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