第45話

長い夜の始まり
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2025/07/07 14:21 更新



宇髄たちが去った後、炭治郎と伊之助はしばし作戦会議をしていた。




竈門炭治郎
竈門炭治郎
善逸は京極屋に鬼がいたと言っていたけど…伊之助のところにもそれらしきものがいるかもしれないんだな。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
ああ、なんかしらが潜んでんのは間違いねえ。

竈門炭治郎
竈門炭治郎
もしかしたら、なにか手がかりが見つかるかもしれない。夜になったらすぐに、伊之助のいる荻本屋へ行く。それまで待っててくれ。一人で動くのは危ない。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
なんでだよ?俺のところにいるってんだから、今すぐ来いっつの!頭悪ぃなてめぇはほんとに!

伊之助は怒鳴り、炭治郎をぺむぺむ叩く。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
いたい!…夜の間、店の外は宇髄さんが見張っていただろう?いだだだだ!でも、紫苑は攫われたし、伊之助のところの鬼も今は姿を隠してる。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
鬼が二体いるのかもしれないけど、もし同じ鬼の仕業なら…ちょっと!ぺむぺむするのやめてくれ!


竈門炭治郎
竈門炭治郎
建物の中に、通路があるんじゃないかと思うんだ。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
ん?通路?
竈門炭治郎
竈門炭治郎
そうだ。それなら離れた店で似たようなことが起こることも頷ける。それに鬼は中で働いているものの可能性が高い。後で善逸に会えたら、話を聞いてみよう。なにか情報を持ってるかもしれない。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
だから、お互いもう少し調べて、夜に落ち合おう。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
…わかったよ。





















その頃の宇髄と善逸はと言うと。


我妻善逸
我妻善逸
ねえほんとちょっとどこ行くんですか!引っ張らないで、引っ張らないで!
宇髄天元
宇髄天元
紫苑探すの協力するんだろ?だったら喋ってねえで、黙って耳すましとけ。
我妻善逸
我妻善逸
耳?


宇髄天元
宇髄天元
お前が聞いたって言う帯の音…それが手がかりだ。
その音が聞こえる場所に、紫苑や俺の嫁はいる可能性が高い。
我妻善逸
我妻善逸
宇髄天元
宇髄天元
ここからは潜入じゃなく、俺の補佐について貰う。足引っ張んじゃねえぞ?
我妻善逸
我妻善逸
わかってますよ。…ちょっとムカつくけど
宇髄天元
宇髄天元
聞こえてんぞ。ギロッ
我妻善逸
我妻善逸
すんません…。


宇髄天元
宇髄天元
今から俺は京極屋に向かって、店主に話を聞き出してくる。お前はとにかく遊郭中歩き回って、鬼の音が強い場所を探すんだ。いいな?
我妻善逸
我妻善逸
…わかりました。






宇髄天元
宇髄天元
…てかまずその前に、着替えてこい。
我妻善逸
我妻善逸
…あ。(そういえばまだ着物だった…)









































その夜、伊之助は炭治郎が来るのを待っていた。…が、







嘴平伊之助
嘴平伊之助
遅い、遅いぜ…もう日が暮れるのに来やしねえぜ!惣一郎の馬鹿野郎が。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
俺は動き出す!猪突猛進をこの胸に!

伊之助は跳躍して天井を突き破り、ねずみを呼んだ。
すると天井裏から、ムキムキねずみが刀を運んできた。


嘴平伊之助
嘴平伊之助
行くぜ鬼退治!猪突猛進!



伊之助は荻本屋の中を走り回り、鬼の気配を探る。


店の中はあちこち壊れ、穴が開き、大混乱となった。











そして伊之助はふとろうかの真ん中で立ち止まる。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
ここか…


刀を振るい、床を破壊すると…穴があった。

嘴平伊之助
嘴平伊之助
見つけたぞ、鬼の巣に通じる穴を!
頭から突っ込む…が、頭が入ったところでつっかえてしまう。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
頭しか入らねえというわけだな…ぬはははは!甘いんだよ!この伊之助様には通用しねえ!
そういいながら伊之助は、ガコッ、ガコッと音を鳴らしながら関節を外していく。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
俺は体中の関節を外せる男!つまりは!頭さえ入ればどこだって行ける!うははははは!

伊之助は改めて穴の中に入り、蛇のように体をくねらせ、細い穴を進んでいく。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
…長ぇ!こりゃけもの道じゃねえな…鬼だ…鬼がいるぜぇぇ!!


地面の中を、伊之助は先に見える微かな光に向かってひたすら進んでいった。





















一方その頃炭治郎は、鯉夏花魁にお礼を言い、伊之助の元へと向かう途中、強い鬼の匂いを捉えた。


急いで戻ると…
竈門炭治郎
竈門炭治郎











上弦の陸 堕姫
上弦の陸 堕姫
鬼狩りの子?来たのね、そう。



上弦の陸 堕姫
上弦の陸 堕姫
何人いるの?一人は、あのチビの女でしょ?柱は居る?もうすぐ来る?


上弦の陸 堕姫
上弦の陸 堕姫
あんたは柱じゃないわね、弱そうだもの。柱じゃないやつはいらないのよ、わかる?


鯉夏花魁の部屋には、女の鬼。その帯には、鯉夏花魁が囚われていた。






そしてその鬼の瞳には…







竈門炭治郎
竈門炭治郎
(上弦の…陸…!)





























はたまたその頃、雛鶴を助け出した宇髄は人が増え始めた大通りの端で耳を澄ます善逸と合流した。










宇髄天元
宇髄天元
どうだ?なにか収穫は。
我妻善逸
我妻善逸
…今のところ何も……










その時。









離れたところから聴こえる、本当に微かな衝突音を、善逸の耳は聴き取った。



我妻善逸
我妻善逸
!聞こえた…
宇髄天元
宇髄天元
鬼の音か?どこだ。
我妻善逸
我妻善逸
こっちに…!
善逸は音が聞こえる方向へ走る。





そしてしばらく走ったところで止まった。人気のない細い通りだ。

我妻善逸
我妻善逸
この下です!
宇髄天元
宇髄天元
よし、突入するぞ。








我妻善逸
我妻善逸
……え?今から行くの?
宇髄天元
宇髄天元
当たり前だろうが。













我妻善逸
我妻善逸
いいぃぃぃぃやあぁぁぁぁ!!!もう行くのおおお?!まだ心の準備できてないんだけどおおお!!


宇髄天元
宇髄天元
はあ?!んな事最初からわかってただろうが!ちょっと考えればわかるだろ!!脳みそ詰まってねえのか?!
我妻善逸
我妻善逸
わかってたけども!薄々わかってたけども!でもそれが実際起きるとなると話は別でしょ!!いやあああ怖いよぉぉぉぉぉ!!!!!
宇髄天元
宇髄天元
うっせえ黙っとけ!!!
ごちん!





宇髄が善逸の頭に一撃。

我妻善逸
我妻善逸
ぎゃあ!!!



善逸は悲鳴をあげ、、、気絶。







宇髄天元
宇髄天元
………あ?やりすぎたか?





宇髄天元
宇髄天元
てか気絶してる場合じゃねえだろ!オラ起きろ!(転がってる善逸の頭を再度ぺしんとはたく)











善逸は、前ぶれなくスクッと立ち上がった。





宇髄天元
宇髄天元
うおっ?起きたのか?


善逸は頭に大きなたんこぶを作り、鼻ちょうちんを出している。…眠っていた。

宇髄天元
宇髄天元
…いや、寝てんのか?








我妻善逸
我妻善逸
この下、音が反響してるから広い空洞があると思います。多分、鬼の巣だ。誰か戦ってる。どうにかして入り込めれば、、

宇髄天元
宇髄天元
(………なんだこいつ)


鼻ちょうちんをふくらませながら、普段よりも流暢に喋る彼を見て、さすがの宇髄も混乱してしまう。




しかしすぐに気持ちを切り替え、宇髄は地面を見やった。

宇髄天元
宇髄天元
…ようするに…



宇髄は背中の刀を手に取り、構える。


宇髄天元
宇髄天元
こうすりゃいいんだなっ!

宇髄天元
宇髄天元
音の呼吸 壱の型 轟!!!

爆音と煙が上がり、地面に大穴が空いた。



宇髄天元
宇髄天元
さあ派手に行くぞ!
我妻善逸
我妻善逸
はい!



二人は未だ土埃が上がる穴の中に飛び込んだ。












追記:☆200突破!!ありがとうございます!

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