第3話

病室に
39
2019/07/14 01:31
「名前は?」
「、、柚です。」
「年齢は?」
「、、、」
「わかんない、、ですか?」
「ハッキリとは、、」
「家は?」
「、、わかんないです」
「なにか、覚えている風景とか、、」
「ないです、、」
「、、、、なんでもいいので、思い出せることはありますか?」
「、、いえ、何も。」
「、、事件性がたかそうですね、、」
「はあ、、」
「また、なにか思いだしたら、教えてください」
「わかりました、、」
そういうと、警察官と名乗った男達は帰っていった。
「お疲れ様です」
「あ、柳田さん」
「体調はどうですか?」
「おかげさまで、、。」
昨日の看護師、名前は柳田というらしい。
「そうだ、柚さん」
「はい?」
「昨日の方、もう少ししたら来るそうですよ」
「そうですか、、どんな人なんですか?」
「男性で、優しそうな方でしたよ」
「へえ、、、」
もしかしたら、あの人かもしれない。
まあ、そんなことないだろうけど。
コンコン
「失礼します」
「あら、こんにちは。どうぞ」
柳田さんの後ろから現れたのは、
「あ、どうも。もう、大丈夫なんですね」
「あ、、、」
前言撤回。そんなことはあった。
目の前にいるのは、まぎれもなく彼だった。
「?どうしたんですか?」
「?」
「、、、、っ、いえ、、なんでも、ないです」
ぼろぼろと涙が出てくる。
「ホントに、、、あ、、ありがどう、ございまじだ、、」
(みっともない顔をしてんだろうな、私、)
「、、、少し、二人で話しても?」
「あ、わかりました」
(え?)
そういうと、柳田さんは、病室から出ていった。
「え、、あ、あの、、?」
「、、、僕、森山 瑛太って言うんだ。君は?」
「あ、柚です」
「柚、、、可愛い名前だね。」
「、、ありがとうございます。」
「、、あ、えーと、、急に言うのもなんか、、あれなんだけど、、僕、君に一目惚れしたんだ。」
「、、、は?」
「き、気持ち悪いかもしれないけど、本当に、君に一目惚れしたんだ。綺麗だ、と思ったよ。」
「え、、、、え」
「倒れてる君に、見とれてしまってね、、ごめん、気持ち悪いよね、、」
「い、いえ!あ、あのっ、、わ、私、、あなたのことが好きなんですっ、、」
「え?」
「今はまだ言えないけど、ずっと前からあなたのことが好きだったんです、、」
「、、知ってたの?僕のこと?」
「し、知ってたっていうか、、、」
(ちょ、、ちょちょちょちょっと待って!!?)
あ、あれ?私、今何言ってんだ?なんで暴露したんだ??やば、これ絶対キモがられる、、
「い、今の忘れてください!!わ、私の方がよっぽど気持ち悪いですよね!!!」
(穴があるならはいりたい!!)
彼はしばらく呆然としていたが、ぷっと吹き出した。
「ふっ、、くくっ、、あは、あははははっ、、」
「え、えと、、」
「ごめんごめん、、君が、思ってたよりも普通で、、おどろいたんだ」
「思ってたよりも普通、、?」
馬鹿にされた気分、、
「あ、ごめん、馬鹿にしたとかじゃなくて、なんかもっと静かな人なのかなって思ってたから。」
「そ、そうだったんですね」
「本当にごめんね。、、、明日も来ていいかな?」
「あ、私は全然いいんですけど、、」
「大丈夫ですよ。」
「柳田さん!?い、いつからいたんですか?」
「すみません。外で会話を聞いていました。」
(は、恥ずかしい、、)
じゃあ、今の私の失態も全部聞かれてたのか、、。
「あ、じゃあまた明日もこの時間帯に来ますね」
「は、はい。」
そう言って彼は病室をあとにした。
「、、、」
「、、、柚さん。」
「ひ、ひゃい、、」
「私、応援してますね!」
「、、、え?」
「早く退院出来るといいですねぇ」
そういってニヤニヤとこちらを見てくる。
「な、なんですか」
「いいえー、なんでもないですよー」














--------キリトリ線--------
遅くなってしまいました( ˊᵕˋ ;)
誤字脱字があったらごめんなさい
読んでくださってありがとうございました。

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