姉ちゃんの部屋は、
あの頃のままだ。
父さんや母さんがそうした。
クローゼットを開け、
いくつか積み重なった段ボールを優しく開ける。
取り出した物は元の位置に戻すようにした。
あの頃が逃げないように……。
次が最後の箱だ。
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屋上で開けること♡
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私たちは、その箱を開けずに
屋上に出た。
母さんが洗濯物を取り込んでいて
青葉と軽い談笑をした。
やっと、動き出したんだ──。
私は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
この箱で、合ってるんだよね。
やたらと軽いその段ボールに
不自然に貼られたテープを剥がす。
中には、綺麗に折り畳まれた
「みどりのカッパ」。
そっと、取り出すと
真っ白な羽根が1枚舞った。
小さなカッパと一緒に出てきたのは──














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!