第3話

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2025/11/09 12:56 更新
めめを見送って少し仮眠をとった後、パラパラと不規則に家を出ていく夫達を順番に見送った。


あと僕がすることと言えば


『…やば、もうこんな時間』


最近海外への遠出や泊まりの仕事が多い夫を空港まで迎えにいくという大切な任務


本当は迎えにいく前に買い物でもしたかったんだけど、生憎そんな時間はなさそうなので


寄り道なしに空港へ直行


『あはっ、かわいいなぁ』


車を走らせてる間にも



"今ホテル出た〜"


"空港ついた!"


"もうすぐ出る!"



なんて一つ一つ現状報告の連絡を入れてくるかわいい夫に表情筋が思わず緩んでしまう


まめに連絡を取ってくれるのは勿論みんなそうだけど、こんなに可愛い連絡を入れてくるのはこの子だけかもしれない



『…はやくあいたいなぁ』



心なしかいつもより長い時間赤で止まっている現状に焦りを感じる一方で


これから暫くはこっちの仕事ばかりだから一緒に過ごせると考えるとワクワクしてくる






.




「あなた!」


『わっ…』



空港に着いて待つこと数十分


前方から不自然にキョロキョロと辺りを見渡しながらキャリーケースを引く男性を見つけた


いつ気がつくかな、なんて様子を伺ってると意外にも先に気がついたのはマネージャーさんの方で


ペコと挨拶されて驚いてる時にいつの間に見つかったのか全速力でこちらへ駆けてきた大型犬


「…ほんまに会いたかった」


『ん、僕も』


人目を気にせずに抱きついてきて少し困惑する部分はあるけど、それも離れてた期間が長かったからと今回は目を瞑る


『…ずっと康二不足だったよ』


向井「っ、俺の方があなた不足やったし!」


『そっか、じゃあお互い様だね』


久しぶりに感じる康二の明るさと話していると自然と笑顔が増えるこの感じが楽しくて、嬉しくて


笑顔のまま見つめ合う時間が数秒


そのまま両頬に手を添えられて近づいてくる康二の顔に


向井「いだいっ!」


『ここ人前だよ』


軽くビンタをお見舞いしてあげた


人もそうだけどマネージャーさんも見てるんだしこう言うことするの辞めようね


『学生じゃないんだから、ちゃんと気にしてよ』


向井「せやけど、」


『…康二はアイドルでしょ?』


"せやけど寂しかったんやもん"とか言い出しそうな康二に一つ喝を入れる


仮にも軽率な行動をとっていい人ではないわけだし、僕が流されてちゃいけない


『…でも、買い物手伝ってくれたら考えるよ』


向井「え!ほんまに!?」


『ねぇ、声大きいよ!』


ロビーに響き渡る声高い関西弁


特徴的な声してるんだら本当に場所を考えて欲しい


向井「これ、みんなのお土産な!」


なんて、こちら側の焦りなどなに一つとして察してない様子の康二


僕の一言で機嫌を取り戻したらしく、今度はゴロゴロと上機嫌にキャリーケースを引いてる


軽くマネージャーさんに挨拶して停めてある車へ直行


向井「なぁ、やっぱ車じゃあかんの?」


『…あかん』


思わず折れてしまいそうな可愛さはあるものの残り少ない理性で何とか耐える


僕が許可すると他のみんなに"僕が"怒られるんだ


向井「ふはっ、かわええ」


向井「あかんってもう一回言ってや」


『…やだ』


それなのにいつもの甘えたモードから面倒見のいいお兄ちゃんみたいな康二に変わってるし


向井「…好きやで」


『…ん』


車内ももう既に甘い雰囲気が漂ってる


向井「あなたは?」


『…僕も好き、やで』


向井「ほんま可愛すぎやろ」


『っ、』


面と向かって言うのは少し恥ずかしくて、康二の関西弁を真似て少しだけふざけてみるけど


逆に康二に刺さったのか"ぎゅっ"と抱きつかれて、頬に押し当てられた唇


『こじ、っ…』


そのまま首から鎖骨まで数回キスを落とされる


少し体を押せばすんなりと離れてくれたけど


『…なにその顔』


してやったりな康二のドヤ顔に目を細める


『家に帰っても、もうキスしないもんね』


向井「え!嘘やろ!?」


向井「なんで!」


『…知らない、早くシートベルトしてよ』









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♡×60



旧2話はいったん消します…!🙇🏻‍♀️

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