薄々気づいていたのかもしれない
いや、気づかないように
選択肢に入れなかった
叶さんの表情がぱぁっと
明るくなり私はYESと受け取った
いや、待てよ、
私が勝手に男だと
決めつけてたっていうことか
ペコリと一礼しておこう
少し気まずい沈黙が漂う
正直言って認めたくないけど
ここで嘘つく理由もないしな
過去⏳️
私が小学生になる頃
お父さんが交通事故で死んだ
今までの幸せな生活が
一瞬で壊れ、
お母さんは狂ったように
仕事に打ち込み
毎日やつれていたのを
今でも覚えている
そんな時、
助けてくれたのがかなちゃんだ
私はよくこの公園に座り込んで
寂しさを埋めていた
毎日、謎に話してくる
女の子がいて最初は無視していた
ドカッ
いつも話しかけては隣に座り
鼻歌を歌ったり
ずっと話しかけてくれたりした
あんなに無視していたのに
私が口を開いても
ちっとも驚きやしない
小さいながらかなちゃんは
ヤバイやつだと思っていた
かなちゃんは何も言わず
抱きしめてくれた
そういえば、今も昔も
そっと包み込むような
優しくて、心地のいい
ハグだった
だんだんと打ち解けて
毎日のように遊んでたな
かなちゃんが男の子だなんて
一度も思わなかった
一番の原因は一人称が僕でも
女子が男子かなんてわからないし
私が女の子として接しても
かなちゃんは何も言わなかった
それでその後私が
『結婚しよーね』って言ったんだよね
そもそも
私結婚の意味知らなかったし
今思えばずっと一緒だよって
言いたかっただけ何だよね
何か色々ムカついてきたな
叶さんに背を向けたのに
振り返らされる
すごくニヤニヤしている
腹黒だ…
やっぱりヤバイやつってことか
幼い頃の勘はよく当たるな
叶さんは叶さんで
かなちゃんはかなちゃんなの!
私の中では別人だ
かなちゃんは可愛かったのに
叶さんは意地悪だな
兄弟揃って押しが強いことで
そんな綺麗な目で
見られても困るって
叶さんの香水の匂いが鼻を通り
低く抑えられた声が耳をかすめ
鼓膜を震わせる
髪の毛が
首に当たってくすぐったい
いつの間にか
私の肩にのかっている手
私なにか悪いことしましたかね
慌てて耳を抑える
___Wait until next time🌟___











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。