そんな感じで話しながら、
私達はロビーへと歩いていく。
最近問題になっている不登校事情なんか
たいして気にもとめず、
私はボソッと呟いた。
フウが私を静かに見つめる。
何故かフウの瞳は、
何か辛い思い出を思い出しているような、
悲嘆を映し出しているように感じた。
今日は3月のはじめの日曜日。
最近は暖かくなってきて、
桜の開花宣言も近づいている。
フウは昨日の夜、私に電話をかけてきた。
電話の内容はーーーー「明日、チーターが出る気がする」。
一般人のフウに、何故そんなことが分かるのか…
嘘かもしれないが、彼女が嘘をついているようには聞こえなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
試合のスタートの合図がなる。
私は中央に向かって走り出した。
その後中央にたどり着く。
ホコはフウの見立て通り、すぐ相手チームに割られた。
私はシールドを置き、スライドする。
スパッタリーとすれ違った時に感じた、この気配。
暗黒の雰囲気を纏ったこのーーーーー
私は咄嗟にスライドをし、
スパッタリーから距離をとる。
後ろから、フウの声が聞こえた。
私はこっちに気づいていないであろう、
前のヴァリアブルを狙って引き金をひいた、その時。
何も、見えなかった。
私はいつの間にかダメージを受け、
タマシイとなりリスポーンへと飛んでいった。
すぐ後に、フウもキルされリスポーンへと戻ってきた。
フウも、何が起こったのか分からないような、
驚いた顔をしている。
私は少しの違和感を覚えながら、リスポーンを飛び出した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フウは高台巡って走り出す。フウならできる…絶対に。
私は周りを塗りながら、ステージ全体を見回す。
フウは甘えたわかばをメインでさっとキルする。その後すぐにスペシャルのジェットパックを吐き、前のヴァリアブルと、奥のリッカスを──────
イカランプが3つ消える。見事な3連キルだ。
私は敵陣下の道に回った。ジェットパックを警戒したスパは、ここにいるに違いない。
その場に静止し、インクでべちゃべちゃになった床をじっと見つめる。
今このステージ内に残っているのはスパだけ。
だから、敵インクの跳ねたその場所に──────チーターはいる。
私はスパと距離をとるためスライドし、引き金を引く。射程有利さえとってしまえば、こっちのものだ。
叫び声が響く。チーターはインクで弾け、タマシイとなり空へ飛んで行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
帰り道、前を歩くフウに声をかける。
先程の試合、1度チーターを押し込んでしまえば、カウントはどんどん進んでいった。フウのホコ持ちが大活躍して、そのままノックアウトまで行ったのだ。
その後もしばらくフウとバンカラマッチを楽しんでいた。
だが、私はある可能性を捨てきれずにいた。
私がチーターの力を当てた時、フウは確かにこう言った。
──────"わかっちゃったんだ"。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!