私とフウは、なぜかバトルをするため
スメーシーワールドへ来ていた。何故。
フウは笑みをこぼす。
本当に本当に心から、楽しい、と思っているような笑顔。
フウの顔から笑みが消える。
この感じ…知ってる。
どことなく漂う、闇を感じさせるこの気配。
大胆なことを言うもんだ。
でもーーーー
私たちは地へ向かって飛び出した。
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私はケルビンを持ち走り出す。
私は中央付近で、前にシールドを置きスライドする。
スペシャルが溜まるまでお互いボムで
牽制しているようだが…
甘えて出てきた敵のシャプマをキルする。
左高台からフウの声が聞こえた。
エリア付近左で、フウが1キルしたのが視界の端に映る。
シールドを置き、詰める。
そのとき、スシがウルショを構えた。
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ハイドラが高台からこちらをのぞく。
それを視認した瞬間、
勢いよく無数の弾がこちらへ飛んできた。
バシュッ……
物陰に隠れたスシがやられたのが見える。
私へと飛ぶ3発の弾。
1、2、3………
その弾は、1弾もズレず私の胴体に直撃する。
そのまま私は後ろに倒れていく。
後ろから叫ぶフウの声がきこえた。
もう、分かった。
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私がリスポーンから出た直後、
フウもリスポーンへと帰ってくる。
フウは笑顔を向ける。
その頬には汗がつたっていた。
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ジェッパの音がしたと同時に、
私は高台から勢いよく飛び降りる。
そのまま、地下を通り敵陣へ抜けていった。
前に出ていたデュアルやシャプマが、
私に向けて引き金を引く。
ウルショの着弾した音が2回背後から聞こえた後、
敵のイカランプが2つ消える。
そのことを確認し、
私はエリア内にいるハイドラの背後に
ゆっくりと近づいていった。
ハイドラがこちらを振り向いた。
その瞬間、ハイドラは勢いよく弾を発射する。
無数の弾は、私に吸い付くように空中で方向転換をした……
ハイドラの弾がハイドラを持つ彼女の胴体に直撃する。
弾は彼女自身に遮られたのだ。
私は後ろにスライドしながら、焦点を彼女に向ける。
ハイドラを持つ彼女は、
インクを撒き散らしながら弾ける。
彼女のタマシイは、リスポーンへと飛んで行った。
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先程の試合はノックアウトで勝利。
私以外の3人が手前のシャプマ、デュアル、ロラコラをやり、私がハイドラをリスポーン送りにした後、
そのままエリアを守り抜いたのだ。
私たちは談笑しながら、
再度対戦を申し込むため、
ロビーの奥へと歩いていった。
私はこの時、まだ、
"彼女の秘密"に気づいていなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。