『夜風』夜に吹く風。
クーゲルシュライバーヒューを片手に持つ、
ロングヘアのインクリングは呟く。
その瞬間、バシュッ、と音を立て、地へ降りたった。
彼女は華麗に、連続でイカロールを繰り出す。
彼女へと向かったマルチミサイルは、
キンッ、と音を立て弾かれた…ハズだった。
彼女は不敵に微笑む。
この最低最悪な状況を、楽しんでいるかのように。
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その女性は微笑む。
その微笑みが、私には"怖い"と感じた。
他人の痛みなんて知らない、そんな顔。
女性は私にすら見えない速度で、
男の腹に蹴りを1発。
いやーーーーー3発。
あの一瞬で、3発蹴りをいれるなんて。
常人じゃないーーーー
また、微笑み。
女性の微笑みは、天使のようにも、
悪魔のようにも見えてしまう。
男は驚いたように後ずさる。
そして次の瞬間、男のゲソはメラメラと光を放っていた。
大きな泡が舞う。
近距離、視界が奪われる。
キィンーーーーーーー
私の前に立つ彼女。
アーマーが割れたような音が聞こえた後、
あの大きなバブルは割れていた。
その女性に怪我はない。
一体、どうやって防いで……
彼女の気迫に怯えた私がいた。
悪に容赦はしない、同情などない…と。
ドンッ……
男の身体が弾ける。
黄緑色のインクを撒き散らしながら。
飛んで行った男の魂は、すぐに見えなくなってしまった。
癪にさわるヒトだ。
頭の中ははてなで埋め尽くされている。
しかも、呼びかた"秉燭ちゃん"に変わってるし。
確かにそれは正論。
正直さっきは危なかった。
彼女がいなければ、重症を負っていただろう。
フウは"あの微笑み"を浮かべた。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。