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第5話

第5話
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2026/07/04 14:54 更新
病室で
沢田カナタ
沢田カナタ
(はぁ……僕、言っちゃったな……)
そこへコンコンコンとノックの音が
沢田ミナト
沢田ミナト
カナタ、久しぶり。
沢田カナタ
沢田カナタ
兄さんっ…!
沢田ミナト
沢田ミナト
ははっ……そんなに喜ぶことかい?遅れてごめんね。
沢田カナタ
沢田カナタ
い、いや…僕の方こそ…迷惑かけちゃって……
沢田ミナト
沢田ミナト
迷惑じゃない。弟が怪我してこない兄がどこにいるんだよ。まぁ…怪我だけじゃなかったけどね。
沢田カナタ
沢田カナタ
………うん。
病室に沈黙が落ちた。
沢田ミナト
沢田ミナト
俺は…悲しみには強い方だと思ってたんだ。病院とかで看取られている患者さんとご家族を見ても泣けない。実のおじいちゃんが死んだときも…それ以外でも。
ミナトは、最初こそは余裕を保っていたが、次第に涙を溜めてきていた。そして、カナタの手を握って
沢田ミナト
沢田ミナト
カナタっ……
ミナトは泣いていた。ふだん稀に見るその顔で。穏やかで、いつもにこにこしていた兄ではなく、ただ、助かって欲しい…そう思う切ない兄だった。
沢田カナタ
沢田カナタ
兄さん……
沢田ミナト
沢田ミナト
あははっ…本人が泣く前に泣いちゃだめか…情けないな……
沢田ミナト
沢田ミナト
……母さんがさ。カナタが延命治療断ったってずっと言ってた。部活よりも命だって。
沢田カナタ
沢田カナタ
……僕、どうすればいいのかわからないよ。母さんを悲しませたくないし…でも、夢を諦めたくない……
沢田ミナト
沢田ミナト
……カナタ。きっと母さんはカナタの気持ち、わかってると思うよ。
カナタはハッとした。
沢田カナタ
沢田カナタ
なら、どうして……
沢田ミナト
沢田ミナト
さぁ。それはカナタが自分から聞かないと駄目だから。
沢田カナタ
沢田カナタ
………
話を変えて
沢田ミナト
沢田ミナト
あ、そうそう。さっき女の子に会ったよ。カナタと同じクラスの。「カナタはどこにいますか」って。今、待たせちゃってるけど……
沢田カナタ
沢田カナタ
もしかして…コハル……?
沢田ミナト
沢田ミナト
多分ね。呼ぶ?
沢田カナタ
沢田カナタ
うん…ちゃんと自分から話す……
うんと深く頷いて
沢田ミナト
沢田ミナト
わかった。

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