『ん"〜〜〜〜〜っ…』
慣れない敷布団で寝たせいか、
体がまだ少し疲れている。
私は今までベッドで寝ていたため、
床に布団敷いて寝るのはどうにも慣れないのだ。
(和風式の家は慣れないな…)
私はこの春こっちに引っ越してきた高校生。
こっちというのはなんというか……
まぁ一言で言っちゃうと田舎。ド田舎。
『なんでここWiFiないの!?』
スマホに依存してる(ちょっとだけ!)私にとって、
WiFiが無いのは死刑宣告を表していた。
(スマホの容量がどんどん無くなってく…)
ふと窓を見ると、どこを見ても木、木、木。
あとは山。
The 田舎 って感じの風景だ。
『外歩いてみる…?』
超超超インドアな私は気が向かないが、
来たばかりの土地を探索するつもりで
外へ出る決心をした。
私に親はいない。
から今までおばあちゃんが
様子を見てくれていたのだが、
おばあちゃんも居なくなってしまった。
私が引越してきたこの家は、
昔おばあちゃんが使っていた家らしい。
家を出た私は、
とりあえず山の上にあるらしい神社に
行ってみることにした。
田舎ありがちの連絡網で、
挨拶しに行きな、と言われたのだ。
急斜面という程でもない山道を歩く。
『つかれる……』
都会っ子&インドアの私は体力がないので、
山道を長時間歩くのは結構きつい。
『あ、猫…と烏?
可愛いなぁ〜…』
猫と烏が振り向き、目が合った。
猫の方はびくっと肩を揺らし、固まってしまっている。
烏は逆に、ジャンプして
私たちの出会いを喜んでいるように見えた。
『あ、猫…足怪我してる?』
私たちの出会いを喜んでいるように見えた烏は、
私に必死になって猫の手当をして欲しいと
頼んでいたらしい。
勘違いしちゃったじゃないか!
『…ごめんね、洗うものがないから
ほんとに軽い処置になっちゃうけど…』
固まってしまっている猫に、
たまたま持っていたハンカチを傷部分に巻いてやった。
「……♡」
猫が手の甲に頭を擦り付けてきた。
…お礼?かな?
『はぁ…猫飼いたいなぁ…
ま、猫アレルギーだから無理なんだけど』
烏も猫の傷が塞がり、安心しているように見えた。
『じゃあ元気でね。
私行かなきゃいけないから。
また怪我しちゃダメだからね!』
私は立ち上がり、また山道に戻り登り続けた。
猫と烏は後ろ姿を獲物を狙ったような目で見ている。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。