山道をのぼり終わり、鳥居をくぐる。
『つっかれたなぁ……』
風が吹き、木々が音を立てながら揺れている。
まるでここに出迎えられているような、感覚。
道なりに進むと、境内が見えた。
「…!」
「こんにちは!お人間さん!」
『え?…あぁ、こんにちは?』
境内の前に、落ち葉を掃きながらこちらを見ている
巫女…?さんが居た。
金髪…金髪の巫女さん?
巫女ってなんか黒髪のイメージあるけど…まぁいい。
しかもちょっと気になる。
“お人間さん?”
…人間以外も来るのだろうか。なんか怖い。
「お祓いにきたんですか?」
『いえ…最近引っ越してきたので…。
神社に挨拶しに行きな、と言われて』
「あなたもしかして“スガサン”が言ってた…」
『…スガサン?』
「…あ、いえ!なんでもないでしゅっ!」
「あ、す、すみません…///」
この巫女さん随分可愛らしいな…
『…神社にご挨拶って何すればいいんですかね?』
「手を合わせてくれれば大丈夫ですよ!
神様にご挨拶して、神様の御加護を貰うんです!
ここの森は危ないですからね。」
『危ない?』
「…」
その話には、
ニコっと笑みを張るだけで答えてはくれなかった。
…自分から言ったくせに。
境内の前に立ち、手を合わせる。
二礼二拍手一礼を忘れずに。
軽い挨拶を済ませ、帰ろうと踵を返す。
「お人間さん、もう少しですね。」
『え?』
帰り際、金髪巫女さんに話しかけられた。
「もう少しで、会えそうです。」
『えっ…と…誰に?』
「あぁ、厄介者もいるみたいですけド。
多分もう、大丈夫ですね。
帰り道、お気をつけください。」
『え?え?』
金髪巫女さんは、言うだけ言って帰ってしまった。
…無事帰れる…よね?












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!