しばらくして、あさひの
呼吸が少しずつ落ち着いてくる。
さっきまで震えてた肩も、今はただ、
あなたに預けられてるだけ。
涙は止まったけど、目はまだ赤い。
まつ毛が濡れて重たそう。
あさひはすぐには答えない。
少しだけ顔を上げるけど、視線は合わせない。
ぼんやりしたまま、胸元を見てる。
そして、小さく息を吸って――
さっき泣いてたせいで、声が掠れてる。
でも、はっきりしてる。
言ったあと、自分でびっくりしたみたいに、
耳がぴくっと動く。
指先であなたの服をいじりながら、
まっすぐじゃない。
でも本気。
さっきまで泣いてた顔で、
熱で少し赤い頬のまま。
ぎゅ、ってまた抱きつく。
さっきより力は弱いけど、
気持ちはまっすぐ。
もう照れる余裕もないくらい、素直。
泣いたあとのあさひは、
防御ゼロ。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!