第113話

112.
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2021/03/05 16:03





うっすら目を開ければ


酷い頭痛が襲い、体が重い、


全くと言っていいほど記憶がなかった


起き上がろうとすれば


ビクともしない私の体


そんな私の上に乗っかるジェシー


体が重かったのは物理的にらしい



『ちょ、ジェシー、重すぎ』



強めに叩いても起きる気配はない


諦め自力で抜け出す


それでも頭痛は残ったままだ



「おはよ、あなた」



急に響く声の方を見れば


机の上を片付ける北斗



『ごめん、手伝う』

北斗「いいよ、寝てろって」

『いや悪いよ、そんなん』

北斗「頭、痛いんでしょ?」



図星を突かれ


何も言い返せなくなる



北斗「ほら、寝とけ」



それだけ言うとお皿を持ってキッチンに戻ってく


北斗以外はまだ爆睡で


ほかの4人は各自好きなように寝てる


相当荒れたことが何となく想像できた



『昨日の夜、どんな感じだったか覚えてる?』

北斗「とりあえず酷かったよ」

『うわぁ、こわ』



これだから、


直そうと思って結局何も治ってない


机の上のゴミを集め


私も片付けを手伝うことにした



北斗「あと、樹のことも、」

『樹、?』

北斗「うん。全部喋ってたよ」

『そっか、、』



酔った勢いで言った方が楽な気はしてた


実際覚えてないんだから


これでもういいと思えた



北斗「めっちゃ好きだって言ってたよ」

『えっ、、私が?』

北斗「そう」



色んな感情がいり混ざるのがわかった


だけどどこか恥ずかしくて


どこか申し訳なくなる



北斗「ちなみに俺はめっちゃ嫌だった」

『、ん、?』



気づけば体が向い合い


目が合ったままになる



北斗「もうさ、俺にしたら?」



2回目、、


どう答えるのが正解なのだろう


正解を探してる時点で


もう終わってるのかもしれない



北斗「ごめん、忘れて。困るよね、みんな起こしてきて」



そんなことを言ったかと思えば


あっという間にキッチンから放り出された


やっぱり難しい







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