最後の手術当日の早朝
まず一つの関門。この日まで生きることはクリアだ
昨日の夜、看護師さんに私の病気は治りそうですか?と聞いた
帰ってきた答えは、「願えば叶いますよ」とのこと
その時の表情を私は覚えている
困ったような、悲しいような複雑な表情をしていた
その時私は察した
あぁ、誰も病気が治ると思ってないんだ
0.7%だ。誰もが一発で引くことは諦めるだろう
十連したって、レア確定などでないと中々出ない
手術を始めたのは7月
つまり8回のチャンス
でも、ここで弱気になったら治らないかもしれない
これは、私一人の問題じゃない
関わりは少なかったけど私の事を気にかけてくれていた千野家年上組
千野の暴走を止めてた実ちゃん
私より下の菊ちゃん
私の隣にずっといてくれた千野
病気を治すことに協力してくれた水羽さん
家事を全部やってくれたあと兄
買い物について行ったら絶対何か買い忘れるけちゃ兄
退屈しない日々を作ってくれたまぜ兄
沢山ゲームを教えてくれたぷり兄
明るい空気を作って不安をかき消してくれたあき兄
そして…
手術は12:00から。
私は死ぬかもしれないという瀬戸際で、いつもと変わらず絵を書き始めた
一つの、誰に向けたか分からないメッセージを添えた絵を。
次回 4/1予定













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。