第27話

WN:キム ウナクの執着
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2026/07/16 09:05 更新
  ⚠️ウナク高校生時代です
  キム ウナクの存在を思い出したのは本当に
  たまたまだった。
  テスト前に掃除がしたくなることをセルフ・
  ハンディキャッピングというらしいが、
  まさにそれ。

  いてもたってもいられず本棚を整理し始めて
  見つけた小学校のアルバムはかなりの時間泥棒
  だった。

  特に後ろの寄せ書きページは思い出がたくさん
  詰まっていて、一人一人の幼く拙い字を辿ると
  懐かしさに胸が詰まる。
  そんな寄せ書きページの最後、
  1ページまるまる使われたそこにはたった一言
  【けっこん】と書かれていた。右下には【운학】
  の文字。
あなた
  うな、うなく……?  
  そんな友達いたっけ?思い出せない。

  だけど、アルバムのラストーページを託す
  くらいだからきっと、仲が良かったはず……
あなた
  あ  
  そこでキム ウナクのことを思い出した。

  当時、隣の家に住んでいた男の子だ。

  よく泣いていた男の子。

  『あなたちゃん』と呼ぶ声が急にフラッシュ
  バックした。

  彼は今、どこでなにをしているんだろう。
あなた
  オンマ、キム ウナクって分かる?  
 ・
  ウナク?  
  何となく気になってリビングにいたオンマに
  聞くと、少しだけ思い出すそぶりをしたあと
 ・
  あぁウナクくんのことね?  
  覚えてるわよ〜懐かしい
  と頷いた。
 ・
  よく泣いてあなたのとこ
  来てたウナクくんでしょ?  
  思い違いではなかったらしい。
 ・
  何で急に?  
  と聞く母親にアルバムのことを話せば、
 ・
  そうだったそうだった  
  とケラケラ笑い始めた。
 ・
  『あなたちゃんと結婚する!』  
  って駄々こねてたわ〜
あなた
  全然覚えてない  
 ・
  うそ〜あんた、
  『すぐ泣く女の子なんか嫌』  
  ってつっぱねてたわよ
あなた
  うそ……  
  全く覚えていないが、アルバムの【けっこん】
  を見るに多分記憶違いではないはずだ。

  オンマは目を細めながら懐かしそうに笑った。
 ・
  それでまた泣くから、呆れたあなたが 
  『私より大きくなったら考える』
  とか
 ・
  『アイドルになったら結婚  
   してあげる』とか言って
あなた
  アイドル……  
あなた
  私そんな高飛車なこと  
  言ってたの?  
 ・
  言ってたわよ〜オンマ達
  笑っちゃって笑っちゃって  
  恥ずかしいことこの上ない。

  なにが『結婚してあげる」だ。上から目線にも
  程がある。

  熱くほてった頬に手を当て
あなた
  最悪  
  と一人ごちていると、
 ・
  元気にしてるかなぁ  
  と母がまた懐かしそうにする。
あなた
  まだやり取りしてるの?  
 ・
  年賀状でね。でも妹ちゃんが
  恥ずかしがるからって写真は  
  なしなのよ。
 ・
  だからどんな風に成長してるかは  
  分からないわ
あなた
  ふーん……  
 ・
  アイドル、なってるかしらね笑  
あなた
  そんなわけ……  
  なんとなく、会ってみたいなと思った。

  低学年の頃はほぼ毎日遊んだ気がする。
  記憶は薄いけど、だけど彼がとても楽しそうに
  歌っていたのは何となく頭の片隅に残っていた。
あなた
  来週、創立記念日で学校休みだから友達に会うついでに会いに行ってみようかな
 ・
  あらㅎㅎ  
  オンマが顔を上げ、ニヤッと笑う。
 ・
  よろしく言っておいてちょうだい。 
  未来の旦那様かもしれないしね
あなた
  はいはい。
  どこの高校行ったか分かる?  
 ・
  あー……確か去年年賀状に書いてあった気が……
  言いながら、小物入れを漁りハガキを探し出す。

  ややあって
 ・
  あったあった  
  と一枚の年賀状を差し出した。
あなた
  ハンリム高校音楽家……  
  新幹線で東京に向かう最中、スマホで
  【ハンリム高校】について調べてみた。

  ソウルにある専門高校。

  驚いたことに多くのアイドルを輩出
  しているらしい。

  ええ、ほんとに、、?
  乗り継いでやってきたソウルはどこかオシャレさ
  が滲み出ている。

  マップでハンリム高校へのルートを検索し、
  視線を落としながら歩みを進める。オンマは
 ・
  『住所分かるし家まで歩けば  
  いいじゃない』
  と言ったが、小学校の同級生、それも異性が
  いきなり家に行くなんてヤバいやつだと
  思われかねない。

  メインはソウルの友人に会うことで、
  彼と会うのはついでだ。

  最悪、会わなくてもソウルを満喫すればいい。

  会えない可能性の方が高いため、マップ上の
  カフェとか服屋さんを確認しつつ、目当ての
  ハンリム高校に向かった。
あなた
  これかな、音楽科……  
  そこには数人の美男美女がいた。
  笑ったり、歌ったり、心の底から楽しそうな人
  達だった。
  ぼんやりと眺める面々の中に、思い描いた
  “ウナク”はいない。

  わざわざ呼び止め、聞いて探すまでもないか、
  と帰ろうとした時だった。
 Woonhak
 Woonhak
  あなたちゃん?  
  後ろから活発そうな、でもかっこいい声が
  私の名前を呼んだ。

  「え」と振り返ると、180cmは裕にあるだろう
  大きな男の人が立っていた。

  目が合うと、徐々に見開かれ、ズンズンと
  こちらにやってくる。
あなた
  え、あ、えぇ!?  
 Woonhak
 Woonhak
  あなたちゃんだ……  
  距離を詰めた男の人が覆い被さるみたいに
  私の背に手を回し、息が止まるほど、
  ギュッと抱きしめた。

  いきなりの出来事に頭が追いつかず「え」とか
  「あ」とかしか言えないが、ぎゅうぎゅうと
  彼の胸板に顔が埋まるのでそれさえもうまく
  発音できない。
  汗の匂いとほのかな香水の匂いが鼻をかすめる。
あなた
  わ、え、うなく!?!?  
  焦ったような声がして、誰かが近くに寄って
  きたのが音でわかる。

  未だ顔は男の人に押さえつけられているので
  見ることは叶わない。

  そんなことより、彼は、今、なんと。
あなた
  うな、く?  
 Woonhak
 Woonhak
  あなたちゃんは俺のことそんな風に  
  呼ばない
  ぎゅ、と抱きしめられる力が強まる。

  「うぇ」とつぶれたカエルみたいな声が出て
  「ちょ、ちょ、死んじゃうよ!」と仲裁の声が
  入った。

  ほんの少しだけ緩まった腕から何とか顔を離し、
  見上げる。
あなた
  う、うなが?  
 Woonhak
 Woonhak
  ん  
  男の人がこくりと頷いた。

  記憶にある黒い細やかな髪が風に揺れる。
あなた
  う、うそ  
 Woonhak
 Woonhak
  嘘じゃない  
あなた
  だ、だってウナガはもっと、  
  私と同じかそれより小さくて、
  いっつも不安げな顔をしてて、可愛い感じ
  だったのに。

  こんな、こんなイケメンで身長が高くなってる
  なんて、そんな。

  ワナワナと震え、後ずさる私に対しウナガが
  逃すまいと大きな手で腕を掴む。

  服越しでもわかるくらい厚くてゴツゴツした手は、
  やっぱり私の記憶のウナガとは似ても似つかない。
 Woonhak
 Woonhak
  あなたちゃんなんか小さくなった?  
あなた
  い、いやいやいやいや。
  ウナガが大きくなりすぎなんだよ  
 Woonhak
 Woonhak
  そっか  
  ちょっとだけ彼の目が細まり、
  昔泣いていた彼を慰める時にしたように
  私の頭を撫でた。
 Woonhak
 Woonhak
  俺、大きくなったよ  
あなた
  うん、すごく  
 Woonhak
 Woonhak
  だから結婚できるよね  
あなた
  え?  
 Woonhak
 Woonhak
  アイドルにもなったんだ  
あなた
  えっ  
 Woonhak
 Woonhak
  だからさ、しよ?  
 Woonhak
 Woonhak
  結婚  
  ふざけている様子は一切ない真面目な顔。

  頭にあった手がスルスルと下がって頬を撫でる。

  緊張で私は固まったまま動けない。
 Woonhak
 Woonhak
  約束したでしょ、結婚するって  
  あなたの名字あなた
  小学生時代はキム家の隣に住んでいたため、
  よくウナクと遊んでいた。
  卒業と同時に釜山に引っ越したため、
  アルバムを見るまで彼の存在をほとんど
  忘れていた。
  会う予定の友達はキムドンヒョン
  キムウナク
  兄でありマンネ。高校でデビューを果たす。
  初恋はあなた。小学生時代からずっと好きで
  高校に行っても忘れていない。
  約束は全部叶えたので結婚する気満々。

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