第9話

転校初日 -8- 希視点
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2024/01/15 14:22 更新
こんちは希です〜。某ゲームの爆発モブの親戚です。

今日は天気良くて温かいのと昨日夜更かししてもうたせいで眠すぎて授業フケてきたんすよね〜。ほんで木の上で気持ちよう寝るつもりやったんやけどな、これがまあビックリやねん。


あの不動の童帝の豚平が見たことない可愛ええ女の子と2人で生徒会寮に向かってきよる!
これはビックニュースやで!
鳥井 希
豚平えらいソワソワしよるし、女の子気遣って話し掛けてくれよるやん。しっかりせえや!…まあ俺の声届かんのやけど。
なんて独り言をブツクサと呟きながら2人が生徒会寮に向かって歩いているのを眺める。

…と、その時豚平が少女漫画とかに出てきそうなセリフを口走りよった!
それで終わらんのかコイツ童帝のくせに言うやんけ!
桃瀬 豚平
いや、ごめんないきなり。こんなこと言われても何言うとるんってなるし困らせるだけって分かっとるんやけど…俺…ッ
豚平のラブコメ展開にキャッキャしながら身を乗り出して見ていたら案の定体が宙に浮いた。
鳥井 希
っぁぶ、!?!!
ガサガサッと大きな音を立てながら上半身は宙ぶらりん状態になり、パーカーが顔に覆いかぶさり前が何も見えない。
すると先程の女の子の声が近くで聞こえる。
足音がこちらにゆっくり歩いてくるのが分かった。
鳥井 希
あー…お、俺はこの木に宿る妖精さんやから、…気にせんとラブコメ繰り広げてもろて…ッ!
いやアホか!木に宿る妖精さんだのと自分でも訳が分からんことを思わず口にする。

…何言うとんねん俺。


てか、!豚平に木に登るなって言われてたん忘れとった!…まずい、これは非常にまずい。
退散したいけどこの体勢やと無理や、詰みやな。


…まあ、なるようになるやろ。
なんてこの時の俺はこの後に起こる事など何も分からずにいた。


_7の希視点回想_



…そして現在、豚平は俺のために保健室まで走って向かってくれた。
そんな中俺は初対面の、しかも先程強烈は顔合わせをした女の子と二人きりになったのである。

沈黙が1番嫌やねん!…あー、クソ、!
鳥井 希
…なあ、名前なんて言うん。見たことない顔やから、転校生とか?こんな時期に珍し。
なんて在り来りな自己紹介の流れに持っていく。
我ながらええんとちゃうか、などと戯言を考える。
あなた
あ、そういえば自己紹介すらまだでしたね…!私はあなたの名字あなたの下の名前です!今日転校してきたばかりなので、仲良くしてもらえると嬉しいです。
さっきのアクシデントのせいでかなり初対面にしては出会いが衝撃的だったもんな。
そりゃあの状況じゃ自己紹介もまともに出来ん。
鳥井 希
あなたの名字、あなたの下の名前…ふーん、まあ覚えとくわ。俺は 鳥井 希 、豚平が俺の事呼んでたから名前はもう知っとるやろけど一応名乗っとく。
興味津々にこちらをキラキラとした目で見詰めてくるので照れ臭くてフードを下げ深被りする。

目を見て話すのは得意やない、…この子は特に、なんか分からんけどあんま見れん。
あなた
…なんで、フードそんなに深く被ってるんですか?何か事情があるなら失礼かもですが…さっき見えた希さんの瞳、吸い込まれるような魅力があるというか…凄く綺麗でした。
そんなことを考えていると、爆弾を投下されたみたいな言った側も言われた側も恥ずかしくなる発言を平然と言い退け、俺の顔を覗くようにジッと大きな瞳が上目遣いで見詰めてくる。

瞳が綺麗で、しかも魅力があるなんて初めて言われた。
_子供の頃はよく気持ち悪がられていた。


なんでそんな瞳の色なの、って。
病気だの呪いだのなんだかんだ、まあ捏島の忌み子よかマシなんかもしれんけど。


辛かった過去が、この子の今のたった一言で救われたように感じた。ストン、と心に落ちてくる。
鳥井 希
……そんなん言われたん初めてや。気持ち悪がったり避けたりせんのは " アイツら " 以外で初めてやし、ほんま変なヤツやな。
鳥井 希
でも…ありがとう。
" アイツら " といてもフードを外すことはそうそうない。
外す必要がないのもそうだが、やはりどれだけ仲が良くても…いや、仲が良すぎるからこそ怖い。

こんなことで離れていかないと分かっていても、俺は臆病モンやから勇気がないんや。


…でも、この子になら見せてもええ。
見てほしい、そして俺もこの子をちゃんと見たい。
鳥井 希
さっき俺の瞳が綺麗って言ったけど、あなたの下の名前は瞳も綺麗やし顔も可愛ええやん。…ほっぺたもちもちしてそうやな、雪見だいふくみたいや。
いつも都合のいい女を口説く時の考えたセリフやない、サラッと出た俺の本音。
もうそういうんも終わりやな、要らんわ。

_などと頭で思いながら、フードを外し真っ直ぐに視線を合わせ白くて柔らかそうな頬を優しく撫でそう言った。
あなた
…ッ、?!…やっぱり綺麗な瞳、細くて長いけどちゃんと男の子って分かるゴツゴツした手、それに笑顔も素敵ですし…出会ってまだ少ししか経ってないけど、希さんのこと…もうこんなに知れちゃいました!
頬を撫でる俺の手に頬擦りをしたかと思えばフワッとした笑顔でそんなことを言ってくる。

…俺も、負けんくらい色々知ったで。


表情や仕草が一々可愛ええのも、話す時は絶対相手の目見て話すんも、照れたりすると耳が赤くなるんも、自分より相手のこと大事にするんも、人のことよう見とるんも、…とか、まだあるけど挙げとったらむず痒いような気分になる。
鳥井 希
フハッ、!そんなん知ってどないすんねん。…まあでも、俺もあなたの下の名前のこともっと知りたいわ。…これからが楽しみやな、?
嬉しいような恥ずかしいような、今はそんな気持ちだ。

なんて答えよう、そう思いながらも少し含みを持たせるような発言をする。



…なんでって、そんなん決まっとるやん。


俺の " 初めて " を奪って、こんな気持ちにさせたんやから…これから俺にこれ以上ないほど好かれる覚悟持ってや。

そう、意識してほしいから_。

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