何となくのカミングアウトの筈が、
お兄ちゃん達には余っ程衝撃的だったようで
大きな目を更に開かせて此方を見ている。
今となってはなんで好きになったのかも
よく分からない人だけど、
多分顔を見るセンスはあったのだろう
昔はあんなに陰気臭かったのに
今はあり得ない程のイケメンなのだから。
そう、
小さい時お世話になってたお兄さん。
きっとあの頃の私は友達なんて居なくて、
誰とも馴れ合わない、極度の人見知りで
ずっと独りだったから、あの人の存在は大きくて。
いつの間にか、好きになってたんだと思う
それから年月が経って
記憶も段々と掠れていったけど、
再会したら向こうが私を好き、みたいな
シチュなんなの?少女漫画じゃん
急に突拍子なく撫でられて
生暖かい笑みを向けられる。
怖いしキモいから辞めてください
prrrrrr……
静かな空間を引き裂くかのように
鳴ったひとつの着信音
私と葛葉は首を振ったから、
消去的にお兄ちゃんの
スマホから鳴ったものだろう。
お兄ちゃんが苦笑気味に
画面を眺めてたから、
私も覗こうとしたけど、
覗く前にはいつの間にか通話が始まっていて
うーーん、惜しいな
どうやら電話の相手は3人組で
お兄ちゃんと親しい仲らしい
友達かな
なんとなく嫌な予感はしてた。
今日は謎に運が悪いし
とにかくマジで運悪いし、今日
神様、もう疲れたくないです。
日常を返して
そんな願いは、雨と共に
アスファルトへと打ち付けられて
粉々に砕けてしまった













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。