内見の日
内見が終わりマンションの前でぴくとさんを待つ。
肝心のマンションはと言うと条件ぴったりで防犯、防音バッチリだったので即決で契約を決めた。流石実況者がおすすめする家だ。
ウィーン
近くのカフェに行くことは事前に決めていた。
行ってみたかったところだから嬉しい!
そうだ。今思い出したけど公表したんだった。Twitterやばかったなぁ…DMは過去最高くらい来てたし、ともさんのリアコ勢やばいし。お前ら本人に見えてないと思ってやってるのか知らんけど勝手にTLで流れてくるからな?
あとキャンプ部の方が引リツでお祝いしてくれた。久しぶりにみんなで会いたいな…
そのためにはまずぴくとさん克服だ!
ぴくとさんに無言の圧をかけているともさんが容易に想像できるなぁ…w
In店
パスタも美味しそうだし…トーストぉ…お前うまそうだな、、、うわカレーも捨てがたい……
ぴくとさんにマンションのこと言ってないや
本当に。なんでかわからないけど今日はぴくとさんを見ても、話をしていても何も感じなかった。
おっとぉオタクじゃないかー。空気モード、オン!!
リスナーさんとそのお友達と思われる女性2人組は会計を済ませ出ていった。
外を指差す私。
ぴくとさんと同じタイミングでお店から出たら流石に言及させられそうで怖いわ
お会計を終え外に出る。ぴくとさんの方はあらかた終わってるようだった。
ちょっと涙ぐんでいるリスナーさん。そりゃそうなるよね
私は先にぴくとさんを追い越しマンションに向かって歩き始めた。しばらくしてぴくとさんが小走りしてくる。
リスナーさんたちと方面が逆でよかった。
その後ぴくとさんとマンション前で別れて私は家に帰えるため駅に向かっていた。
LINE〜♪
ストグラか…全然知らないんだよな……
マイクラ界隈でストグラやってる人あんまいないからな〜…
ともさんやるなら追ってみようかな
ぴくとさんも追おうとしてるし大変だ。
ともさんに伝えなければ!
In LINE
久しぶりに会えるの楽しみすぎる₍₍ ◝( ゚∀ ゚ )◟ ⁾⁾
LINE〜♪
あれ?きっくんさんだ。どうしたんだろ
え、、なんで…、、うわ……。絶対あのリスナーさんじゃん。私だって気づいてたのか…そんな素振り見せなかったくせに…
同棲は絶対に違うけどそう思われても仕方ないこと、しようとしてるんだよな
さてと。Twitter見てみるか
In Twitter
うわほんとだ…写真までご丁寧に付いてるし
その画像ときっくんさんが言っていたような内容が書かれていたツイートは凄い拡散されていてそのリプにもリスナーさんたちの様々な意見が書いてあった。
思ったより攻撃的な人はいなくてみんな私と、ともさんの関係を信じてくれているようだった。
どうせ鍵垢とかで愚痴ってんだろうなー
そう思いつつ私はそれから通報して関係各所に連絡をして消してもらえることになった
In DM
デマですツイートしなきゃ
これでなんとかなるやろ
おー伏線張ってやるか
ふふふ。楽しみにしているがいい
私の本垢のツイートを引用してぴくとさんも説明ツイートをあげていた。
℡📱
電車だからでれない…
In LINE
In家
電話の内容ぴくとさんのことだろうなー
YouTuber界から消されるところだったあぶねぇ
In Twitter
あ、引越しのこと言わなきゃ
ともさんがそう告げて電話は切れた。
さいあくだぁ
言い返す間もなく切られた🥺
結局引っ越しのこと言えんかったわ
まぁいいや!切り替えてストグラ観よ
………よく考えてみるとストグラって女の人いっぱいいて、ともさん推してる人もいっぱいいるだろうし、確か結婚とか概念あるよね……あ、これやばいかも
考えれば考えるほどストグラというものに嫉妬が芽生える。ともさんにやってほしくない。そう思った。
数週間後
あの頃の私の願いも裏腹、ともさんはストグラにほぼ毎日ログインして長時間配信をするようになってしまった。
段々配信を観る気力も失せ、ストグラの情報はTwitterのTLでたまに流れてくるくらいだった。特に女性との絡みについてのつぶやきを見る度辛さが倍増した。
そのせいで気後れしてなかなか連絡ができない。
そんな状況の中私は引っ越しの日を迎えてしまった。ともさんに何も言わずに、私は今、新居まで来てしまった。
今日共にここにいるのはママさん。そして
ぴくとさんだ。流石に女性2人では厳しいと思ったからお願いした。ともさんは忙しいから声がかけられなかった。
でもこれは綺麗事でしかない。
本当は
このことで嫉妬してほしい。
また優しい声で叱ってほしかった。
また、電話越しでもいいから「愛してる」そう言われたかった。
私の中でともさんがどんどん消えてなくなってしまうような感覚を止めたかった。
私はトイレに駆け込み静かに泣いた。
ぴくとside
あなたの活動名さんが急いでどこかに向かった。
ストグラ関係かな…最近マイクラ界隈でも増えてきたしな……
あなたの活動名さんのそういう部分知らなかったな…
ともさんの気持ち上手く伝わってないのかも。
ともさんから定期的に来る「あなたの活動名となにもないよね?」というDM。こんなん愛されてるからに決まってる。しかもめっちゃ。そういえばあなたの活動名さんがまだ入院していたとき大型コラボの雑談のとき「女子って早めには結婚ってしたくないのかな」とか「プロポーズってどうするべきなの?」と既婚者組に聞いていた。今考えればその相手はあなたの活動名さんで、ともさんはその気があるってことだ。
僕はこの部屋を飛び出した。すると
急いでいる僕を見て大きくなった目は滲んで輝いていた。
Inぴくと'sMANSION
ともさん、!
起きてろ…!!
僕はディスコのチャット、TwitterのDM、ありとあらゆるツールでともさんに連絡をした。
数分後
In Discord
昔、僕が苦しめてしまった。だから僕は少しでも役に立とうと思ったけど、今日だって、彼女はいつも少し緊張した表情を浮かべ、一定時間で目を逸らされる。
最初から気づいていたはずなんだ。自分の力であなたの活動名さんの人生の辛い部分を超えるくらい幸せの部分を提供することなんてできない。
この人じゃなきゃ。僕の「顔」のせいで長引かせてしまったあなたの活動名さんの傷を癒せない。
僕は、自分にできることはもうなにもない。そう心に決め。救世主の到着を自分の家で祈っていた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。