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第2話

【海󠄀ノ果テ、遠ク】壱
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2024/06/25 07:00
明治参拾捌年、伍月弐拾漆日。
東郷 平󠄁八郎元帥海󠄀軍大將殿を率いる聯合艦隊󠄁が日本海󠄀海󠄀戰での激戰を経て、我が大日本帝󠄁國が大勝利を収めた後も我々帝󠄁國海󠄀軍は休日返上で猛訓練に励んでいた。

我が帝󠄁國海󠄀軍の艦隊󠄁勤務は陸軍のように一週が「日月火水木金土」とはいく訳が無いのだ。

我が帝󠄁國海󠄀軍は一年参百陸拾伍日「月月火水木金金」の連続であり、火が出るような猛訓練に励み、日々戰鬪に備えているのが艦隊󠄁勤務の常住の姿で在る。




夜明けがやってきた。
あかがね色の朝日が艦を照る。

潮の伊吹をうんとめいっぱい吸い込み、胸に若さ漲る誇りを持ち、今日も一日猛訓練に励む。

海󠄀の男ならば休み等無くとも「月月火水木金金」で猛訓練に励むものなのだ。


漆月上旬、赤く、強く照る太陽に流れる汗を拭いて仲間達と笑い合いながら大砲手入れをする。

高波(海󠄀軍一等兵曹)「はぁーっ、暑い暑い!大砲手入れも大変だなぁ(汗)」

葛城(海󠄀軍一等兵曹)「海󠄀の男なんだろ?暑さになんか負けるもんか!」

秋津(海󠄀軍一等兵曹)「葛城、汗をかきながら大砲手入れをしてるお前も人のことは言えないな(笑)」

高波(海󠄀軍一等兵曹)「そうだそうだ笑」

葛城(海󠄀軍一等兵曹)「はははっ笑 それもそうだな笑」

太平󠄁洋の心地よい波に揺られ、潮風が吹いて暑さが和らぐ。

さぁ!今日も海󠄀の男として「月月火水木金金」の艦隊󠄁勤務に励むぞ!!


度胸一つに火のような練磨が續く。
艦に掲げる「旭日旗」は風になびき音が鳴り、課業開始の喇叭も同時に響いた。

戰艦武蔵は広い広い海󠄀へと出て、任務へ向かう。

戰艦武蔵の姿を見送る子供達は「日の丸だ!」「日本の艦だ!」と嬉しそうに跳ねている。

さぁ行くぞ、これからどんな嚴しい試練が待ち受けていようとも我々帝󠄁國海󠄀軍は進む。

海󠄀の男の艦隊󠄁勤務

「月月火水木金金!」




〖2023.5.27 日本海󠄀海󠄀戰118年記念式典 海上自衛隊横須賀音楽隊(YouTubeより)〗

〖軍歌:月月火水木金金〗

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