お前、なんで男装してんだ?
…へ?
だから、なんで男装してんのかって聞いてるんだよ。
えっ、ちょっと待って…
ていうか、なんで男装してること知ってるんですか…!?
そんなことぐらい、鼻で匂いかげばわかる。
えっ…鼻いいですね…(この鼻のするどさはやばいでしょ…)
俺は獣人族だからな。
(獣人族…確か、ラギー先輩と食堂で会ったときも速攻でバレた…やっぱ鼻がいいんだ…)
で、理由は?
あ、えっと…
あなたが男装している理由を話す。
そうだったのか…なんか、すまねぇ…
いえいえ、気にしなくて大丈夫です。
それより、私、さっき助けてもらったのでジャックさんに何かお礼がしたいのですが…
別に礼を言われるほどのことはしてねぇ。
それと、同じ1年なんだから、タメ口でいい。あと、俺のこと、呼び捨てでいいから。
え、でも…
じゃあ、"助けてくれたお礼"として俺にはタメ口と呼び捨てってことならいいか?
え、いいの…?
構わないぜ。
じゃあ、よろしくね、ジャック君。
ああ、よろしくあなた。
今回グリム登場しませんでしたね…すまん、グリム。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。