第33話

第30章
373
2021/01/03 07:45
ーーーーー side Leiya


仕事がないオフの日
俺は家にあるベッドに座って目を閉じる
そして、周りの空気が変わっていくのを感じて目を開けると真っ白な空間が広がっている
そして、その空間を目にした俺の目の前には金色と銀色を混ぜたような色をした光が浮かんでいる



『久しぶりだね、黎弥。』



その光から聞こえた声に俺はすぐわかった



黎弥
黎弥
お久しぶりです、神様。
神様
どうだい?今の暮らしは。
黎弥
黎弥
大丈夫です、一緒にいてくれる皆が支えてくれますし。
神様
それは何よりだ。



そう、俺の目の前にいるのは神様
俺が天界に戻るのを止めてこの世界にいることを選んだ俺を受け入れてくれた方

時々、こうやって夢の中だったり、今みたいに突然姿を現すこともある


まぁ、神様の次に高い地位にいるあの方々は腑に落ちない様子だったけど・・・



神様
そういえば、龍友は元気かい?
あの日から羽根無き者になったのは
知ってはいたが・・・
黎弥
黎弥
龍友さんも元気です。
大切な仲間と一緒に過ごしてます。
俺も大切な仲間と一緒にいます。
神様
そうか、二人とも幸せで良かった。
黎弥
黎弥
・・・皆のおかげです。



夏輝君に出会ったときから始まって
天界に戻るのをやめたFANTASTICSとしての夢者修行の出来事
そして、夏喜を助けるために自らバラすような形で秘密を告げたあの日
重なるように続いていたけど、それでも皆は俺を受け入れてくれた
そして、羽根無き者である龍友さんと、龍友さんと一緒にいるGENERATIONSさん
強い味方が現れて心強かった

でも・・・
まだ拭えない不安が脳裏を過るんだ



黎弥
黎弥
・・・神様。
神様
なんだい?
黎弥
黎弥
悪魔は、また現れますか?



そう聞くと、神様が固唾を呑んだのが分かった


悪魔の存在
それが俺への不安を募らせていく

俺で言うと夏輝君と世界さんの身に起きた出来事
龍友さんで言うと涼太さんとメンディーさんの身に起きた出来事

それが悪魔が振り下ろした災いだと知った
だから、不安が大きくなるんだ


悪魔は何処にいて、いつまた災いを振り下ろしてくるのかわからない

そう考えれば考えるほど怖くなって不安になってくるんだ



神様
・・・黎弥、よく聞きなさい。



不意に神様の声が優しく降ってくる



神様
君は沢山の人の子に大切な存在として
守られている。それは龍友にも
当てはまる言葉だ。だから自信を
持ちなさい。もし不安が残るのなら
【羽根持たず】の彼等に頼りなさい。
黎弥
黎弥
・・・あの二人に・・・
神様
あの二人も、黎弥と龍友と同じ
人の子と過ごす事を選んだからね。
黎弥
黎弥
・・・ありがとうございます、神様。
神様
君達に幸有らんことを祈るよ。



そう告げられると周りの空間が眩しくなり、一度閉じた目に写ったのは自分の部屋


羽根持たず
通称、眠りの天使スリーピングエンジェル

本来は天使として生まれるが、羽根を持たないまま生まれてくる存在
その代わりに天使としての能力を開花させて過ごしている

それは人の為だったり自分の為だったりとバラバラだけど
俺が知っているあの二人は、仲間の為に大切に使っている



黎弥
黎弥
・・・相談するか。



そう考えて呟いた俺はベッドから腰を上げて部屋を出た

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