第19話

第17話
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2024/07/24 11:00 更新

当たり前の日常が戻ってきた

70年前くらいの世界から戻ってきた僕は、
すっかり素直になって家でも学校でも
人が変わったみたい、なんて言われる
まどか
(僕は今まで何にイラついてたのか
不思議でしかない)
まどか
(つまらない反抗期だったんだと思う)
まどか
(当たり前に学校に来て)
まどか
(綺麗な空をぼーっと眺めて)
まどか
(夜遅くに電気をつけてたって)
まどか
(命の危険なんてない)
まどか
(空襲の恐怖に襲われてちゃんとした睡
眠が取れなかったりすることも無い)
まどか
それだけで十分、幸せ

日常的に命の危険を感じたりしない

僕達は当たり前の幸せに気づいてなかっただけ
今の日本は、本当に幸せだ
まどか
(でもまだ戦争をしている国がある)
まどか
(毎日怯えて暮らす人がいる)
まどか
(失われる命が沢山ある)
まどか
(誠一みたいに戦う若者がいる)
まどか
.......

そう思う度に心が苦しくなる




まどか〜?学校行かないの?
まどか
ぁ、行ってくる〜

7月に入りどんどん暑さが増してくる

手の甲で汗を拭いながら学校に向かっていた時、
僕は不意に足を止めた



𓆸⋆*•。❁。.*・゚ .゚・*.❁。.*・٭•。
まどか
百合の匂い、
まどか
(˙꒳˙ ≡ ˙꒳˙)
まどか
あ、

ある家の庭に真っ白な百合が咲いていた


その瞬間、心がわし掴みされたように苦しくなる
まどか
.......誠一

僕は今でも、誠一のことを何度も何度も考える
まどか
(考えるつもりは無い、)
まどか
(なのに、ふと面影がよぎる)
まどか
(眩しい笑顔)
まどか
(安心する背中)

現代に戻って来てすぐはありえないようなこと
ばっかりだったから、夢だったのかなとも思った

70年前の世界に行ってたくさんの人と会って
たくさんのことを経験した

一晩の長い長い夢だったのかなと
まどか
(でも、違う)

あれはまぎれもなく現実だった
まどか
(だって僕が帰った時)
ちなみになんで百合の花を持ってるの?
まどか
え.......
手元を見ると僕は百合の花を握っていた
まどか
(誠一がくれた百合の花)
まどか
(あの日は雨だったから濡れてる)
まどか
(誠一は存在したんだ)
まどか
(もう.....会えないけど)
僕はあの後その百合の花を使ってしおりを作った

花が枯れてもいやだし、これが1番だと思う


また涙腺が緩む
誠一
『なんや、泣き虫やな〜』
誠一の声が聞こえたような気がした
先生
よーし、次は社会見学の班決めするぞー
先生
もう来週だからなー
窓の外をぼんやり眺めて蝉の鳴き声が聞こえて、
またゆっくり先生のほうを見る
まどか
(今年の社会見学ってどこなんだろ)
僕はその時反抗期だったから、授業も聞いてないし、プリントも貰ってない

貰ったとしてもすぐ捨ててる
まどか
(まぁ、どこでもいっか)
まどか
(去年と同じようなもんでしょ)
先生
じゃあー5人班か6人班つくれー
まどか
(ハードルたっか)
まどか
(前まで反抗期だったから
話したことない人がほとんどだし)
そう思ってぼーっとしてると
大地
ね、ねぇ!
まどか
大地
もし良かったらなんだけど
俺たちの班に入らない?
まどか
え、あ、う、うん?いいの?
大地
うん!
まどか
あ、ありがとう
まどか
(僕を誘ってくるってどういうこと、、)
だいたいの班が決まった時
先生
あー、天命の所4人しかいないから海斗かいと
入ってもらうぞー
海斗
あ゙?
まどか
(うわぁ〜、前の僕みたい)
大地
分かりました!大丈夫です
まどか
(天命さん、だっけ)
まどか
(いい人すぎるでしょ)
まどか
(社会見学どうなるんだろ)

僕はこの時思ってもいなかった

まさか、あの時、社会見学で














奇跡が起こるとは.......

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