当たり前の日常が戻ってきた
70年前くらいの世界から戻ってきた僕は、
すっかり素直になって家でも学校でも
人が変わったみたい、なんて言われる
日常的に命の危険を感じたりしない
僕達は当たり前の幸せに気づいてなかっただけ
今の日本は、本当に幸せだ
そう思う度に心が苦しくなる
7月に入りどんどん暑さが増してくる
手の甲で汗を拭いながら学校に向かっていた時、
僕は不意に足を止めた
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ある家の庭に真っ白な百合が咲いていた
その瞬間、心がわし掴みされたように苦しくなる
僕は今でも、誠一のことを何度も何度も考える
現代に戻って来てすぐはありえないようなこと
ばっかりだったから、夢だったのかなとも思った
70年前の世界に行ってたくさんの人と会って
たくさんのことを経験した
一晩の長い長い夢だったのかなと
あれはまぎれもなく現実だった
手元を見ると僕は百合の花を握っていた
僕はあの後その百合の花を使ってしおりを作った
花が枯れてもいやだし、これが1番だと思う
また涙腺が緩む
誠一の声が聞こえたような気がした
窓の外をぼんやり眺めて蝉の鳴き声が聞こえて、
またゆっくり先生のほうを見る
僕はその時反抗期だったから、授業も聞いてないし、プリントも貰ってない
貰ったとしてもすぐ捨ててる
そう思ってぼーっとしてると
だいたいの班が決まった時
僕はこの時思ってもいなかった
まさか、あの時、社会見学で
奇跡が起こるとは.......













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。