瞼に明るい光を感じて目を開けた
そう思った瞬間、手のひらに土の湿った感じが伝わって来た
しばらくして、目が慣れたあと
起き上がると、枕にしていたのは学校のカバン
ゆっくり立ち上がって周りを見渡すと
そこには見慣れたアパートがある
懐かしい風景だ
最初は戦争時代なんて、死ぬかもしれないし
ベッドでだらだら出来ないし早く帰りたかった
あんなに戻りたくて、望んでた事のはずなのに
戸惑いを抑えきれない
呆然としながらふらふらの足で家に帰る
気がつくと自分のアパートに着いていた
今何時か確認するためにスマホを取り出した
なぜか充電が切れてない
そして、表示された日付は
お母さんと喧嘩した翌日の
朝、5時30分だった
僕は家の前に立って無意識に鍵を取りだし
家に入った
リビングからお母さんが飛び出してきた
ボサボサの髪の毛
化粧が剥がれた顔
目の下にできたクマ
お母さんは容赦なく平手打ちしてきた
久しぶりなのもあって避けれなかった
かっと熱くなった頬を抑えてお母さんを見る
お風呂場に行くお母さんを追いかける
気づいたら涙が出ていた
僕ってこんなに涙脆かったっけ、
笑いを含んで言った誠一の声が、ふと蘇った
少し思い出すだけで涙が止まらなくなる
僕は力が抜けて床に膝を着いた
そして、目の前にある背中に抱きついた
お母さんが驚いたように振り向いて、
目を丸くした
鼻水をすすりながら謝ってくるお母さん
口が悪くて素直になれなくて、
ーーー結局似たもの同士の親子だなぁ、













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。