新学期がスタートして1週間______
____________宮治が後ろの席だなんて、これから毎日気が重い……
新学期初日に私が感じた憂鬱は、別の意味でも当たっていた。何故ならば……
治「………スー………スー………スー………」
さっきから規則正しい寝息を立てながら、宮くんが眠っている
ちなみに今はもちろん授業中!
先生「______だから、ここは……となって、イコール………はーい、この公式覚えとけー。次、この問題は……おーい、宮。おい、宮!!」
____________、っ!!
先生の視線がこっちを向いている
(正確には私の後ろの席に向かってなんだけど……)
返事が無い為、クラスの皆もこちらを向く
治「………スー………スー……」
あなた「(____________!!ヤバイ……これはヤバイ…)」
私は顔は正面に向けたまま、後ろに手を伸ばして宮くんの体を揺する
治「……スー…………っん…ぅん?」
あなた「(あ、起きた!)」
先生「おい、宮。何やお前ー。まぁ、ええわ。ほな、これ答えぇや」
治「………はぁ、…わからん……」
そりゃそうだ。だって寝てたんだもん!!
私はノートを机の右側に寄せて、肘をつきながら体を左側に寄せる
持っているペンで軽くノートを叩く
治「あ〜…(2XーY……」
__キーンコーン……
カーンコーン__
治「……なぁ。あ〜…間宮さん?…やったっけ?……さっきは、すまんかったな」
突然背後から話しかけられて驚いて振り返る
机に肘をつきながら、宮くんが「助かったわ」と口元に笑みを浮かべている
あなた「あ、別に……。って言うか、宮くん気持ち良さそうな寝息だったね〜(笑)」
アハハハと笑いながら「でも、授業はちゃんと受けようね」と付け足す
治「せやけど、あの先生の授業は眠くなるんよ。またヤバなったら、よろしゅうな」
そう言って立ち上がると、私の頭に軽くポンと手を乗せる
あなた「…えっ……あ、うん…」
そのまま腰を折り曲げ私と視線を合わせる
あなた「____________っ…//」
突然宮くんの顔が近づいてドキッとする
治「ほんま?おおきに」
恐らく…私にしか聞こえないくらいの声でボソッと呟き、そのまま宮くんは廊下に出て行ってしまった
あなた「(____________っ//…何?!……今の…)」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!