……さっきの出来事から、30分ほど。
時刻は既に10時半になり
目の前のあなたの名前、カタカナ推奨さんは普段の真っ白な
ワンピースではなく、僕達王国のみんなが
着ているような洋風の服を着用している。
慣れない太陽の光が少し辛いみたいなので、
フリルのついた可愛い日傘と
国内で人気の日焼け止めを塗っておいた。
…あと、これはあまり関係ないんだけれど
僕と出かけるから〜って言って
紫色のリボンチョーカーを首に付けて
くれたのが嬉しくてたまらなかった
ちょっと、デートみたいだな…
なんて思ってしまったけど。
黒の綺麗な外枠がついた全身鏡の前に立てば、
嬉しそうに口角を緩ませる。
目を閉じているので、
僕達のような視界はしていないのだが
その代わりに【 眼 】という能力を使い
特殊な視界を使って見ているらしい
全方位見れるし、国はだいたい見えると
言っていたすごい能力なのだが……
常に俯瞰視点でも、何故か自分は
見ることができないらしい。
だから、鏡を置いて一人称視点で見ると
ようやく自分の姿が見えるんだとか
視点が変えられるって便利そうだし、
目を開かないので瞳が乾燥することがなく
眠る必要が無いらしいので少し羨ましいと思う。
はあ、仕事してる時「 今は寝たくない 」
って思ったまま何度寝落ちしたことか……
こてん、と嬉しそうな顔のまま
首を傾けるので
もちろん!と口から出るのは早かった。
最後の仕事を終えたであろう2人が、
大量の書類を抱えて階段を降りてくる。
手を振り返して、
って元気に返せば
気をつけてなー、と嬉しそうな顔で
転送装置へ向かっていったので
僕まで嬉しくなってしまう。
子供を案内するように、
癖で手を差し出してしまう。
慌てて戻そうと思ったところで
触れたら溶けて消えてしまいそうなくらい
儚くて綺麗な、雪みたいに白い手が乗せられる。
…こういう時に照れちゃうから、
デートみたいに見えちゃうんだろうな……
階段を降りようとした所で、
何冊か本を抱えているカンムリさんに会う。
カンムリさん、最近いつもより仕事が
増えてしまっているし…
こういう時くらい休んでもらわないとだよね。
また嬉しそうに笑う、あなたの名前、カタカナ推奨さんとカンムリさん
2人ともお互いが嬉しそうだと嬉しくなるのだろう
それにつられて、僕まで笑顔を浮かべてしまう。
こんな幸せな流れを、今日もう何度した事だろうか
それくらい、幸せみたいだ。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。