前の話
一覧へ
次の話

第22話

❄️鈍感
282
2023/11/07 19:10


「もう暗くなっちゃったね」


🐻「最後に行きたいとこある!」


「うん?」





日が落ちて暗くなってきた頃。

また私の手を引いてズカズカ歩いていくボムギュ。
いつもは寝癖がついている後ろ髪も今日はきちんとセットしてきたみたい。






🐻「これ!」


「…プリクラ?」


🐻「うん、思い出作りに〜」






お金を入れてカーテンの中の個室に入り、来て来てと言うボムギュの隣に座った。






「ボムギュ女子高生みたいだね」


🐻「つい最近まで高校生だったんですけどー」


「2年くらい前ね」


🐻「うるさいなー」





撮影が始まりなんのポーズする?!と隣ではしゃいでいるボムギュ。プリクラなんていつぶりだろうか、





🐻「じゃ最後ハート!」


「ふは、」




2人でハートをつくって最後の1枚を撮る。
こんなにはしゃいだのは久しぶりで楽しかった。






「じゃあ、また明日ね」


🐻「…送ってく!」


「え〜いいよ、もう暗いし」


🐻「オレが送りたいの!はい行くよ」





私の手を引いてズカズカ進むボムギュ。

なんだか背中が大きくて男の子だな〜と感じた。





「今日はありがとう、またね」


🐻「じゃーねヌナ」


「ボムギュも気をつけて帰っ」





気づけばボムギュの腕の中で、ボムギュの甘い匂いに包まれていた。





「ボム、?寒いの?」


🐻「もぉ… 何でもない、お別れのハグだよ」


「ふは、なにそれ。明日も会えるじゃん」


🐻「そーだけどさ、じゃあねほんとに」


「ありがとう、気をつけてね」







バイバイと少し駆け足で去っていくボムギュ。
時計を見ると終電の時間ギリギリ。そこまでして送ってくれなくても良かったのに、ボムギュらしいけど。








🐻「鈍感すぎ……」

プリ小説オーディオドラマ