第11話

第十一話(本編入ります)
318
2023/11/29 13:56

敦君の入社試験終わり頃から始まります





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





中島敦 side







谷崎潤一郎
すンませんでしたッ!
中島 敦
へ?
谷崎潤一郎
その、試験とは云え、随分と失礼な事を。
中島 敦
ああ、いえ、良いんですよ。












僕は今、家財道具の買い出しを終え、お店で探偵社の方々と一息ついていた。




するとさっきの試験で爆弾魔役をしていた人に机をバンッ、と頭と手をつけ、僕に謝った。





聞くと、試験での事について申し訳なく思っていたようだった。






あれ、意外と良い人だこの人……。












国木田独歩
何を謝る必要がある。あれも仕事だ谷崎。













国木田……さんは、お茶を1口飲んだ後、申し訳なさそうな顔をするオレンジ髪の人に言った。



















太宰治
国木田君も気障に決まっていたしねえ。
『独歩吟各』!













そう言って太宰さんは眼鏡を押さえるような仕草をする。












国木田独歩
ばっ……違う!
あれは事前の手筈通りにやっただけで!!












国木田さんは席を立ち上がり、太宰さんへ怒る。







賑やかな人達だなあ。











国木田独歩
……ともかくだ小僧。
貴様も今日から探偵社が一隅。ゆえに周りに迷惑を振りまき社の看板を汚すような真似はするな。
俺もほかの皆もそのことを徹底している。
なあ太宰。
太宰治
あの美人の給仕さんに
「死にたいから首絞めて」
ってた頼んだら応えてくれるかなあ。
国木田独歩
黙れ迷惑噴霧器!!
大体お前はいつもいつも…!!
谷崎潤一郎
…ええと。










太宰さんと国木田さんが喧嘩……いや、国木田さんが太宰さんに対する説教を始めると、さっきのオレンジ髪の人が声を発した。











谷崎潤一郎
改めて自己紹介すると……ボクは谷崎。
探偵社で手代みたいな事をやってます。
そンでこっちがいてっ
ナオミ
妹のナオミですわ。
兄様のことなら……何でも知ってますの。











オレンジ髪の人は谷崎さん、というらしい。



そして妹さん…?も居るらしい。











中島 敦
き、兄妹ですか?本当に?
ナオミ
あら、お疑い?
勿論どこまでも血の繋がった実の兄妹でしてよ…?このアタリの躰つきなんてホントにそッくりで……
ねえ兄様?
中島 敦
いやでも……。












やっぱり兄妹には……見えない…ような……




そう思っていると、国木田さんの手が僕の肩に乗った。







そしたら国木田さんは、目で

「こいつらに関して深く追求するな!」

と言ってきた。




あ……はい。









太宰治
本当はもう1人ここに来るよう言っておいたのだけれど…来ないねえ。
国木田独歩
はあ……彼奴も遅刻魔になってしまったらとうとう探偵社は終わるな。
太宰治
どうしよう、少し心に傷が入ったよ国木田君。
中島 敦
…あ、そういえば皆さんは探偵社に入る前は何を?











太宰さんと国木田さんがまだ来ていないらしい人の話を始めたので、なら暇つぶしに、と探偵社の方々の前職を聞いてみることにした。








そうすると見事に皆黙ったので、何か間違っただろうかと僕は少しばかり焦っていた。










太宰治
何してたと思う?
中島 敦
へ?
太宰治
なにね、常番なのだよ。新入りは先輩の前職を中てるのさ。











成程……だから皆さん黙っていたんだ。











中島 敦
はぁ……じゃあ……。

谷崎さんと妹さんは……学生?
谷崎潤一郎
おっ、中ッた、凄い。
ナオミ
どうしてお分かりに?
中島 敦
ナオミさんは制服から見たまんま。
谷崎さんの方も……齢が近そうだし勘で。
太宰治
やるねえ。じゃあ国木田君は?
国木田独歩
止せ、俺の前職など如何でも!!
中島 敦
うーん、お役人さん?
太宰治
惜しい。
彼は元学校教諭だよ。数学の先生。
中島 敦
へえぇ!
国木田独歩
昔の話だ。思い出したくもない。









なんか納得……って云ったら投げられるな。






僕の脳内には

「ここはxの累乗を使うに決まっているだろう!!!」

と云う国木田さんが居た。










太宰治
じゃ私は?
中島 敦
太宰さんは……。











ニコ、と笑みを浮かべて此方を見詰めてくる太宰さん。








想像もつかん……!











国木田独歩
無駄だ小僧。
武装探偵社七不思議の一つなのだ、此奴の前職は。
谷崎潤一郎
最初に中てた人に賞金が有るンでしたっけ。
太宰治
そうなんだよね。誰も中てられなくて懸賞金が膨れあがってる。
国木田独歩
俺は溢者の類だと思うが、こいつは違うと云う。
しかしこんな奴が真面な勤め人だった筈がない。
中島 敦
ちなみに懸賞金って如何程ほど
太宰治
参加するかい?賞典は今







七十万だ。











僕は飛び上がった。




七十万。






七十万だぞ!!















中島 敦
中てたら貰える?本当に?
太宰治
自殺主義に二言は無いよ。
中島 敦
勤め人
太宰治
違う。
中島 敦
研究職
太宰治
違う。
中島 敦
工場労働者
太宰治
違う。
中島 敦
作家
太宰治
違う。
中島 敦
役者
太宰治
違うけど、役者は照れるね。
中島 敦
うーん、うーん。












駄目だ、やっぱり想像がつかない。











Murder
……何してんだ。
中島 敦
へっ?
太宰治
おや、Murder君、君も参加するかい?
Murder
何の話だよ。











Murder君。







太宰さんにそう呼ばれた人は、フードで顔がよく見えなかった。











太宰治
私の前職を中てるのだよ。参加してみないかい?懸賞金もあるよ。
Murder
生憎俺は金に興味は無い。どうせお前無職ら辺だろ。
太宰治
地味に酷くないかい?
Murder
知るか。
…それよりこいつは誰だ?お前らの云ってた新入社員か?











Murder?さんは、僕を指さしてそう云った。











中島 敦
あっ、中島敦です!
Murder
ふーん…。
国木田独歩
お前も自己紹介をせんか。
小僧、こいつの名前はMurderだ。普段は探偵社の下にある"うずまき"という喫茶店で働いているが、一応探偵社員でもある。
中島 敦
えっと……宜しくお願いします、Murderさん。
Murder
ん。
……んで太宰、正解は?











僕を少し見詰めた後、Murderさんは太宰さんの方へ向き、太宰さんの前職について質問をした。










国木田独歩
だから本当は浪人か無職人の類だろう?
太宰治
違うよ。
この件では私は嘘など吐かない。











そう云って太宰さんは立ち上がった。








この人の過去は未知だ、本当に想像がつかない。










太宰治
うふふ、降参かな?
じゃ此処の支払いは宜しく。ご馳走様〜!
国木田独歩
あっ!
谷崎潤一郎
うン?
ハイ。……え、依頼ですか?


























探偵社の中。







一人の女性の前に、僕や太宰さんといった、さっきのメンバーがずらっと揃っていた。










______
…………
谷崎潤一郎
……あの、えーと、調査のご依頼だとか。
それで……
太宰治
美しい……。











谷崎さんが話し始め、依頼の内容を詳しく聞こうとすると








太宰さんが女性の手を取りそして










太宰治
睡蓮の花のごとき果敢なくそして可憐なお嬢さんだ。
______
へっ!?
太宰治
どうか私と心中していただけないだろ











と、太宰さんが言葉を続けようとすると、
スパァァンと国木田さんが太宰さんの頭を叩いた。







いい音したな……。










______
なななな
谷崎潤一郎
あ、済みません忘れて下さい。











太宰さんはそのまま国木田さんにずるずると引き摺られて部屋を出ていった。




去り際に




心中〜ちょっとだけでいいから〜


と云っていたが女性はそれを横目に話を続けた。











______
それで、依頼と云うのはですね、我が社のビルヂングの裏手に……最近善からぬ輩が屯している様なんです。
谷崎潤一郎
善からぬ輩ッていうと?
______
分かりません。
ですが、襤褸をまとって日陰を歩き、聞き慣れない異国語を話す物もいるとか。
国木田独歩
そいつは密輸業者だろう。











女性はお茶を飲みながら話を進めている。





そうすると国木田さんが部屋に入ってきて、密輸業者だと断言した。










国木田独歩
軍警がいくら取り締まっても船蟲のうに涌いてくる。港湾都市の宿業だな。
______
ええ。無法の輩だという証拠さえあれば軍警に掛け合えます。ですから
国木田独歩
現場を張って証拠を掴め、か……。

小僧、お前が行け。
中島 敦
へッ!?
国木田独歩
ただ見張るだけだ。
それに、密輸業者は無法者だが大抵は逃げ足だけが取り柄の無害な連中……
初仕事には丁度良い。











と国木田さんは云うが、正直僕には自信が無い。











中島 敦
でっでも
国木田独歩
谷崎、一緒に行ってやれ。
ナオミ
兄様が行くならナオミも随いて行きますわぁ!






























探偵社員としての初仕事。






僕は緊張していた。





谷崎さんもナオミさんも居るが、それでも不安は消えない。










国木田独歩
おい小僧。











そんな僕に国木田さんが声を掛けてきた。











国木田独歩
不運かつ不幸なお前の短い人生に些かの同情が無いでもない。
故に、この街で生き残るコツを一つだけ教えてやる。











国木田さんは手帳から一枚の写真を取り出し、僕へ見せてくれた。










中島 敦
この人は……?
太宰治
マフィアだよ。
尤も、呼びようがないからそう呼んでるだけだけどね。
国木田独歩
港を縄張りにする兇悪なポート・マフィアの狗だ。名は芥川。
マフィア自体が黒社会の暗部のさらに影のような危険な連中だが、その男は探偵社でも手に負えん。
中島 敦
何故……危険なのですか?
国木田独歩
そいつが能力者だからだ。殺戮に特化した頗る残忍な能力で軍警でも手に負えん。
俺でも……
奴と戦うのは御免だ。
































Murder side











探偵社の新人、中島が依頼の方へ行った後、俺はすぐうずまきに戻ろうと思ったが太宰に止められた。










その結果、俺は今、寝転んだ太宰の背中の上で本を読んでいる。

国木田は掃除をしている。手伝う気は無い。











太宰治
一人では〜心中は〜できない〜二人では〜できる〜すごい〜
Murder
……。
国木田独歩
オイ二人とも邪魔だ。除け。











俺はそんな国木田を無視し、太宰は国木田に片手を振る。










国木田独歩
全く……何故こんな奴が探偵社に……Murderはまだしも……我が理想にはこんな……。











と、国木田がブツブツ云っていると、痺れを切らしたのか太宰がつけたヘッドホンを取り上げ叫んだ。










太宰治
あ。
国木田独歩
おい太宰!仕事は如何した!











叫んだ国木田をものとせず、太宰はヘッドホンを取り返しこう答える。










太宰治
天の啓示待ち。














Murder
何言ってんだお前。
太宰治
あ、Murder君も聞くかい?
Murder
……貸せ。











太宰からヘッドホンを借り、早速耳につけてみると










Murder
…成程な。
太宰治
うふふ。























そこから少し時間が経って。




太宰が体制を変えたせいでソファの端へ追いやられた俺は、完全自殺という本を読む太宰を横目に推理小説を読んでいた。











太宰がいきなり目を思い切り開けた。











太宰治
Murder君、行くよ。
Murder
はあ?












国木田独歩
おい太宰、Murder、いい加減仕事を……



……あれ?











国木田が目を向けたソファには、もう誰も居なかった。












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





主出し失礼します。






Murderさんが探偵社員となり、少し落ち着いてきたので……




別のクロスオーバー作品を作ろうかと(というかもう作ったのですが())




というのも、私結構鬼滅の刃が好きでして。





昔は登場人物の年齢誕生日フルネーム体重身長全て言えたくらい好きなんですけれど(お陰で親には限界オタクと言われたり)(もう今はあまり体重身長とか覚えてないんですれけども)





そしてこのプリ小説で鬼滅の刃とUNDERTALEのクロスオーバーを見た訳なんですね。



それがとっっっっっっっっっっっっっっっても面白くって。



妄想が止まらなかったものなのでもういっそ作ってしまえと脳内が言ったので


作ります(作りました())




お話はまだ出来上がってはいませんしまだ非公開なのですが……


このお話の主人公であるMurderさん。そして後もう二人(二骨?)が主人公のお話を考えてます。




お話が出来次第またこういう場で宣伝致しますので見て下さい!!!!!!(欲望が滲み出ている)



そしてお気に入り15!!!!!15!?!?!?!?リアルで声出ました(近所迷惑)

本当ありがとうございます……!!!!!



以上です、では〆で。

プリ小説オーディオドラマ