第169話

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2026/10/20 13:45 更新















     ────タタタタッ







   人の気配を探り、誰も居ないホテルの廊下を

   選びながら誰かと鉢合わせないよう駆け抜ける



   ⋯⋯⋯隠密行動の観点的に足音は立てちゃ

   ダメなのは分かってるんだけどさ



   殺せんせーにお洒落して来いって言われたから

   歩いたらコツコツって音が鳴るタイプの靴

   履いてきちゃったんだよ、しょうがない






あなた
殺し屋、殺し屋⋯⋯⋯あっちか







   走りながら周囲の気配を探る


   プロの殺し屋だと殺気を消すのが上手いけど、

   どうしても殺気を消そうとしすぎて

   逆に違和感が出てしまう



   とは言え、それも気配察知能力が高い人で

   なければ気付けない程度の微弱な違和感



   ま、普通に殺し屋やってたら

   自分の殺気を消す能力に粗があるなんて

   気付いてないだろうね



   私だって、死と大親友と言っても過言ではない

   呪術師と言う仕事をやっていなければ

   こんな察知能力は身に付くはずもなかった






あなた
一、二⋯⋯⋯殺し屋は合計で三人か







   そんなことを考えれば、ふと呪詛師らしき

   呪力が見つかった



   場所は、一つ上のフロアの一部屋



   エレベーターを無視し、階段を使って

   上の階に駆け上がる






あなた
は~い、失礼~







   呪詛師数人の気配がする角部屋の前に着き、

   術式の応用で鍵を開けてドアを開け放つ



   中に居た呪詛師たちは、豆鉄砲を食らった鳩の

   ような随分と滑稽な顔になっていた






なっ⋯⋯⋯







   顔を見合わせる呪詛師たち


   何をしていたのかは知らないけれど、

   机に多数の一級術師の顔写真と情報が

   載せられた書類がある辺り、

   厄介な呪術師を排除する計画を

   立てていたんだろう






あなた
悪いけど、君たちの好きにさせる訳にはいかないんだよ







   向こうが戦闘態勢になる前にまず一人


   一番近くに居た奴の腹部目掛けて回し蹴り




   お高いホテルと言う場所柄的に、

   あまり大きな音は立てない方が良いし、

   流血沙汰にもしない方が良い





   ───と言う訳で、珍しく雑魚相手に

   初手から術式を使ってみることにする


   私の持ってる呪具、刀とか短剣とか

   刃物ばっかりだしね






あなた
〈解〉







   〝背丈を誤魔化す術式〟と言う定義を解く



   定義が変われば、当然術式の効果も消える


   誤魔化していた背丈が元に戻り、

   どこからどう見ても未成年の見た目に戻る



   勘の良い奴はそこで私が神凪あなたの下の名前だと

   気付くけど、まぁ普通は気付かない






あなた
〈改〉







   今度はその定義を改め、

   術式を〝対象の周囲の呪力を操作する術式〟に

   変更する






あなた
呪術の悪用とか論外だから







   パチンと指を鳴らし、呪詛師たちの

   鼻と口付近の重力を圧縮して

   息を吸えないようにする



   ほんとは捻り潰しても良かったけど、

   流石にちょっとグロテスクだし




   暫くすれば、息が吸えずに全員が窒息死し、

   バタバタと倒れて行った






あなた
⋯⋯⋯襲われたら反射的に術式使う癖付けたら良いのに







   突然の乱入者にパニックになり、

   術式を使うことなく死んでいった呪詛師を

   見下ろしながら、術式を

   〝背丈を誤魔化す術式〟に戻して部屋を去った














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